【図解】バルブの記号一覧(JIS準拠)と種類・見分け方について詳しく解説！

弁体の真ん中に穴が開いたボール状のバルブ。
ハンドルを回して穴の位置を調整して使用し、ガスの元栓もこのボールバルブが使われています。

200度以上の高温の流体には使用できませんが、ハンドルを少しずつ回して弁棒を上下させるタイプのものよりも急な開け閉めがしやすいのが特徴です。

【見分けるポイント】

• ハンドルが90度回転で開閉（レバー型が多い）
• バルブ内部に穴の空いたボール状の部品
• ハンドルと配管が一直線のとき開、直角で閉

仕切弁という呼び方の方が慣れている方もいるかもしれません。
真っすぐの流路で使われ、全開で使うか締め切るかのどちらかの用途しかありません。
分かりやすい例で言うと道路内の水道管などで使われています。

【見分けるポイント】

• ハンドルが円形の「ハンドル車」型
• 軸を回すと内部の板（ゲート）が上下して開閉
• バルブ本体が縦長で、配管と直線的に接続

流体の逆流を防ぐために使われるバルブです。
ハンドルなどはついておらず、パイプ内で逆流が起こったら弁体が管内に下りて流れを止めます。

製品によっては、逆流の勢いが弱いと弁体が反応せず閉じないこともあるようです。
購入の際は、スペックを確認しましょう。

【見分けるポイント】

• 外部にハンドルやレバーなし
• 流れの一方向に矢印が刻印されている場合が多い
• 本体が比較的コンパクトで円筒形

ダイヤフラムバルブは、弁棒の下にゴムや樹脂でできた膜が貼られています。
ハンドルを回して便棒を上げ下げすると、膜が上下して開閉します。

膜で流れをコントロールするため、潤滑剤などが流体に入らず洗浄もしやすいため衛生面が重視される現場で用いられることが多いです。

【見分けるポイント】

• ハンドル車型で、本体上部が盛り上がった形状
• 内部にゴムや樹脂の膜（ダイヤフラム）を使用
• 衛生配管や化学薬品ラインで見かけやすい

弁体が薄い円板になっていて、ハンドルを回して流量をコントロールします。
弁体を止める位置によって微妙な流量調節ができ、弁体が板状で薄いため省スペースで設置できるのがメリットです。

配管の配置が複雑だったり、スペースが限られている場合などによく用いられます。

【見分けるポイント】

• 薄型で円盤状の弁体を中央に持つ
• ハンドルまたはレバーで弁体を回転
• 配管の内径とほぼ同じ大きさの円板が見える

玉形弁とも呼ばれ、ボディ部分が丸いのが特徴です。
丸いS字型のバルブ内を弁棒が上下する仕組みで、パイプ内の液体・気体の量をコントロールしやすく、流れをせき止める効果も高いことから「ストップバルブ」と呼称されるケースもあります。

難点として急な開け閉めがしにくという点があり、スピーディな調節をしたい場所には不向きかもしれません。

【見分けるポイント】

• ボディが丸みを帯びた玉形（S字流路）
• ハンドル車型で、回転で弁体が上下
• 本体中央部が膨らんだ形状が特徴

平板をスライドさせる仕組みのバルブ。気密性を高める効果があり、かつては蒸気機関やエンジンなどで使用されていました。

現在でも排水処理や用水切替などの用途で広く使われています。

【見分けるポイント】

• 平板状の弁体が本体内部をスライド
• レバーや手動機構で横方向に動かすタイプもある
• 直線的な外観で、大型のものはハンドルではなくレバー操作

流体を完全に開閉するための弁で、密閉性が高い一方、開閉に時間がかかる。主に長距離配管やメインラインで使用される。

一部が開いている状態を示し、流れを部分的に通す。必要に応じて流量を段階的に調整できる。

流れ方向を制御し、逆流を防止する役割を持つ。ポンプや機械設備の保護にも有効。

流量調整が得意で、細かい制御が可能だが、配管途中での圧力損失は大きい。調整用途に特化している。

流体を一方向にのみ流し、逆流を防ぐ構造になっている。配管内の圧力や機器の損傷防止に役立つ。

球体を回転させて開閉する構造で、開閉が速く耐久性が高い。家庭用から産業用まで幅広く用いられる。

軽量で大口径配管に適し、開閉操作が容易だが、高圧環境には不向き。水処理設備などで多く利用される。

回転式の栓で開閉を行い、コンパクトで小口径配管に多く使われる。メンテナンス性も比較的良好。

弾性膜で流体を制御し、腐食性の流体やスラリーに適している。薬品や食品加工分野でも活躍する。

微量の流量を精密に調整するために使用される。分析装置や計測機器に欠かせない部品。

電磁石によって開閉を行い、自動制御や遠隔操作に用いられる。空調・水道・生産ラインなどで活用される。

異常な圧力が発生した際に自動で開き、設備や配管を保護する。事故や破損を未然に防ぐ重要な装置。

バルブをどのように開閉するかを示す記号です。
操作性や自動化の有無を把握する手掛かりになります。

• 手動式（ハンドル・ハンドホイール）
  作業者が直接ハンドルやハンドホイールを回して操作する方式です。構造が単純で耐久性も高く、コスト面でも有利なため幅広く採用されます。小口径の給水管から、大口径配管の開閉まで用途は多岐にわたります。

• 電動式
  電動モーターで弁を開閉する方式で、遠隔操作や自動制御に対応します。プラント設備や建物の中央監視システムと連動するケースが多く、正確な開閉位置制御が可能です。人が近づきにくい高所や危険区域でも安全に操作できます。

• 空気圧式（エア作動）
  圧縮空気の力で弁を動かす方式です。防爆性に優れ、電気火花の発生を避けたい化学プラントや危険物施設で多く用いられます。動作が速く、開閉回数が多いラインでも安定して使用できます。

• 油圧式
  高圧の油圧を利用して開閉する方式です。非常に大きなトルクを発生できるため、高温高圧の蒸気ラインや産業用大型バルブで採用されます。動きが安定し、負荷が大きい条件下でも確実に動作します。

• ソレノイド式（電磁式）
  コイル通電による磁力で弁を開閉する方式です。応答速度が速く、小型機器や自動化装置に適しています。給水設備やエア回路、機械内部の制御ラインなど、コンパクトな制御系で重宝されます。

バルブと配管をどのように接続するかを示す記号です。
流体の種類、圧力条件、メンテナンス頻度などによって使い分けられます。

• フランジ接続
  バルブと配管の端面にフランジを取り付け、ボルトで締結する方式です。気密性が高く、着脱が容易なため、大口径配管や高圧配管に多く採用されます。定期点検や交換作業がしやすいのも特徴です

• ねじ込み接続（スレッド接続）
  バルブと配管のねじ部を回して接続する方法です。小口径で低圧の配管によく用いられ、施工が容易でコストも抑えられます。ただし、繰り返しの着脱には向きません。

• 溶接接続（ソケット溶接・バット溶接）
  バルブと配管を直接溶接し、一体化させる方式です。耐圧性・耐熱性に優れ、漏れのリスクを最小限に抑えられます。主に高圧・高温の条件下で使用されますが、交換時は切断作業が必要です。

• ユニオン接続
  ナットを緩めるだけでバルブを取り外せる構造です。メンテナンス性が高く、小口径配管や頻繁に清掃・交換が必要な設備に適しています。限られたスペースでも作業がしやすい点が利点です。

• クランプ接続
  衛生配管で多く採用される方式で、工具を使わずに分解・組立が可能です。食品や医薬品の製造ラインなど、衛生管理が重要な現場で活躍します。洗浄や殺菌作業が容易です。