テスター(回路計)の使い方・電流測定を詳しく解説!初心者向けの注意点も

テスターは電流や電圧の測定に欠かせない計測器です。
例えば直流電流を測定する場合には、テスターのスイッチを直流電流モードに設定し、黒・赤のリードを端子に接続して計測を行います。しかし誤った測定レンジや端子を選ぶと、感電の危険や機器の故障リスクもあります。
安全な測定には、まず端子の位置・測定レンジ・CAT規格を必ず確認することが基本です。そのうえで直列接続によって回路にテスターを組み込み、mA/μA端子と10A端子を用途に応じて正しく使い分けます。
本記事では、テスターで電流を測定する具体的な手順と注意点、安全規格や製品の選び方まで詳しく解説します。
INDEX
- 1.テスターとは?電流や電圧を測定するための機械
- 1-1.テスターの定義
- 1-2.テスターの用途・役割
- 1-3.アナログテスター
- 1-4.アナログテスターの具体的な使い方
- 1-5.デジタルテスター
- 1-6.デジタルテスターの具体的な使い方
- 2.アナログテスターとデジタルテスターの違い
- 2-1.デジタルテスターの長所・短所
- 2-2.アナログテスターの長所・短所
- 3.テスターの基本的な使い方
- 3-1.交流・直流電圧測定
- 3-2.抵抗の測定
- 3-3.直流電流の測定
- 3-4.交流電流の測定
- 3-5.導通のチェック
- 3-6.ダイオードテスト
- 3-7.周波数測定
- 3-8.静電容量測定
- 4.テスターを使うときの注意点
- 4-1.損傷がある状態で使用しない
- 4-2.電流測定の状態で電圧を測定しない
- 4-3.定格以外を使用しない
- 4-4.mA/μA端子と10A端子を使い分ける
- 4-5.定格以外のヒューズを使用しない
- 4-6.測定前には端子を確認する
- 5.テスターの精度と安全の規格
- 6.テスターを選ぶポイント
- 7.テスターの最新おすすめ製品をピックアップ!
- 7-1.SANWA ポケット型デジタルマルチメータ PM3
- 7-2.HIOKI ハイテスタ 3030-10
- 7-3.FLUKE ポケットサイズ・マルチメーター(バックライト付) 107
- 8.まとめ
【おすすめ動画】テスターの使い方とおすすめメーカーを動画で解説
テスターとは?電流や電圧を測定するための機械

テスターとは電気・電子回路の状態または状況を知るために、電圧・電流・抵抗等を測定(テスト)する計測機器を指します。
回路計、回路試験機などとも呼ばれ、英語ではMultimeter、VOM(Volt-Ohm-Milliammeter)と呼ばれます。
電気工事や設備メンテナンスなどで主に用いられ、個人では車・バイクの整備などにも用いられます。
テスターの定義
テスターは、日本語で「回路計(Circuit Meter)」または「回路試験器(Circuit Tester)」と呼ばれる機器で、一台で電圧や抵抗、電流などを計測できる便利な機械です。電気関連の実験や、電子機器、電線などの実験や評価に活用されます。なお、欧米では「Multimeter(マルチメーター)」や「VOM(Volt-Ohm-Milliammeter)」と呼ばれます。
アナログの針で測定結果が表示される「アナログテスター」とデジタル数字で表示される「デジタルテスター」があります。精度の面ではデジタルテスターの方が優位ですが、急激に変化する値を測定するときには、アナログテスターが好まれる場面も少なくありません。
テスターの用途・役割
電気・電子回路の電圧や電流、電子部品の抵抗などを手軽に計測する用途で活躍します。テスターでの測定結果を通じて、目に見えない電気の状態を可視化して、電気・電子回路の状態や状況を確認するために用いられます。
研究所などでは実験の結果を測定するためにしばしば使用されます。また、工場などでは製品の通電状況を確認するのに有効です。機械や電気の配線が正常に機能しているか、測るためにも使用されます。テスターの計測結果をふまえて、修繕が必要かを判断することが可能です。
アナログテスター

画像引用元:回路計 - Wikipedia
アナログテスターは測定結果を指針で表す回路計です。
電圧・電流だけなら電池がなくても測定できるのがメリットです。
ただ、デジタルテスターと比較すると機能が限定される、構造上測定結果の精密さで劣るという難点もあります。
アナログテスターの具体的な使い方
アナログテスターの使用手順について紹介します。まず最初に使用前点検を実施しましょう。まず0位置調整器を回しメーター指針を左端の0位置に合わせます。リード棒(テストピン)が断線していないかを確認するために、レンジ切替つまみを「Ω」の抵抗測定レンジにしたうえで、赤・黒のテストピンをショート(短絡)させます。
指針が大きく右に振れたら異常はありません。指針が右端(0Ω)を指さない場合は、ヒューズまたは電池を交換してみてください。
次にテストピンを離して、交流(ACV)・直流(DCV)の適切な電圧につまみを合わせます。たとえば家庭用コンセントは交流で、100Vが多いので「ACV 250V」に合わせるとよいでしょう。
交流にはプラス・マイナスの極がないため、テスターの色を気にせず双方に差し込みます。たとえば、コンセントのテストをする場合は、左右の穴に一本ずつ差し込めば測定可能です。指した時に触れた針の値が、その電源や回路の電圧となります。
直流の場合も、まずつまみで適切な電圧を選びます。たとえば市販の乾電池の電圧を見るなら、低いDCV 10Vで充分でしょう。直流の場合は、赤いピンをプラス極、黒いピンをマイナス極に当てて通電させます。その時に触れた針を読んで、生じている電圧を確認します。
最後に電気抵抗の測定機能です。電線などの断線有無のチェックなどにしばしば使用されます。まず、つまみを電気抵抗のレンジに合わせたうえで、抵抗値を測定する対象の左右それぞれにテストピンを当てます。
電線のように通電すべきものであれば、電気抵抗は0に近い水準になるのが正常です。逆に針が左の方に触れる場合は、断線している可能性があります。なお、抵抗測定は、対象物に電圧がかかっていない状態で測定するように注意しましょう。電圧がかかっていると、機器の発熱や故障、事故の原因となります。
デジタルテスター

画像引用元:回路計 - Wikipedia
デジタルテスターは測定結果がモニターに数値で表示されます。
明確に数値化されるため測定者によるデータの差異が出にくく、テスターの精度も高いです。
またアナログテスターよりも内部抵抗が高いので測定誤差が少ないのが特徴です。
デジタルテスターの具体的な使い方
デジタルテスターの使い方を簡単に紹介します。まず最初に始業点検を行いましょう。まず、つまみを抵抗測定に合わせたうえで、テストピンをショートさせます。抵抗が0.00〜0.004の値であれば、ほとんど抵抗なく通電することを意味するため、断線がないことがわかります。
交流電圧を測定する場合は「V〜」の表示の所につまみを合わせます。あとはアナログテスターと同様で、二つのテストピンをそれぞれにつなげます。正常に電気が来ていれば、表示されたデジタル数値がその回路の電圧です。
次に、直流電圧を測定する場合は「V_」の表示につまみを合わせます。赤いテスターをプラス極、黒いテスターをマイナス極につなげます。あとは交流と同様で、表示されたデジタル数値を読みとりましょう。
最後に電気抵抗の測定は「Ω」のマークに合わせます。測定する対象物にテストピンをつなげると、抵抗値が数値で表示されます。電線のように本来通電すべき対象を測定している場合、数値は0に極めて近づくのが正常です。
正の数値が表示される場合には、断線している可能性が高いので、電線を再チェックしましょう。また、デジタルテスターも、電圧がかかっていないときに測定する必要があります。
アナログテスターとデジタルテスターの違い

テスターには大きく分けてアナログテスターとデジタルテスターがありますが、どちらを使うべきか悩む方も多いでしょう。ここからはアナログテスターとデジタルテスターそれぞれの長所・短所を紹介します。
デジタルテスターの長所・短所
デジタルテスターには、次のような長所があります。
- 精度が高い
- 多機能な傾向にある
- デジタル表示ですぐに値を読み取れる
デジタルテスターの方が、計測機能として精度が高く、正確な値を検出できます。また、温度測定モードや通電確認モードなど、さまざまな機能が付与されている製品もあります。数値が表示されるため読みやすく、また観測者によって読み取った数値にばらつきが出る心配がありません。
一方で、デジタルテスターの短所は次のとおりです。
- 多機能な分操作が複雑で慣れが必要に
- 電池がないと使用できない
- 数値が変動するときの計測がしづらい
多機能なデジタルテスターは、その分ボタンやダイヤルなどが多く、初心者は扱いにくさを感じるでしょう。また、基本的にデジタルテスターは電池が必要です。電池切れのときには測定ができなくなります。また、ブレのある時にはデジタル数値が高速で変わってしまい、読み取りが困難です。
アナログテスターの長所・短所
アナログテスターの長所は次のとおりです。
- シンプルで使いやすい
- 変動する時でも針が触れるためおおよその数値を確認できる
- 電圧・電流の計測だけなら電池が不要
アナログテスターは、デジタルテスターと比べて機能がシンプルで使いやすいのが特徴です。また、計測結果がぶれているときでも、針の振れ幅を確認すればおおよその結果を把握できます。電圧・電流の計測には電池がいらないため、電池切れを心配する必要がありません。
続いて、短所は次の点です。
- 一般に機能が少ない
- 内部抵抗の影響で精度に限界がある
- 目盛を読むときに、人によってずれが生じうる
アナログテスターは、シンプルな反面、デジタルテスターより機能が少ないものがおおいです。また、内部抵抗の具合で微妙に計測結果が変わるため、精度の面ではデジタルテスターに及びません。さらに、目盛りの読み手の感覚によって、わずかに結果にブレが生じる可能性があります。
テスターの基本的な使い方

テスターを使った各種測定の基本的な操作方法をご紹介します。
こちらではHioki(日置電機株式会社)のDT4282の使用方法の解説を参考にしてご紹介しておりますが、機種やメーカーによって設定方法が異なります。
必ずご使用前にお使いのテスターの製品仕様や取扱説明書をご確認ください。
交流・直流電圧測定
・直流電圧(DCV) 太陽光パネルの出力電圧や計装盤のDC24V 、バッテリーの直流電圧測定の設定方法です。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「直流電流(:::V)」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- バッテリーまたはDC電圧発生部とマイナス端子(黒)=マイナス側、プラス端子(赤)=プラス側での接続
に設定し、測定します。
直流の場合、電流にプラス極・マイナス極があるため、赤いテストピンをプラス極、黒いテストピンをマイナス極に指さなければならない点に注意しましょう。たとえば乾電池であれば、特記のある方が通常プラス極なので赤、平たい方に黒をつなぎます。なお、感電リスクを避けるために、ピンなどの金属部分には絶対触れないようにしてください。
直流の場合は、表示された数値が、そのままその回路の電圧となります。
・交流電圧(ACV) 家庭用電源等、コンセントやブレーカーなど電気設備の交流電圧測定の設定方法です。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「交流電圧(〜V)」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードとコンセント等を接続し測定
交流の場合は、電流にプラス極・マイナス極がありません。そのため、回路が成立する状態で赤・黒双方のテストピンを指せば、測定可能です。たとえばコンセントの電圧を見る場合は、左右の穴それぞれにピンを差し込みます。
抵抗の測定
抵抗(導通)を測定する方法です。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「抵抗(Ω)」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードと抵抗を接続
※必ず測定する対象の電源を切ってから測定しましょう。
直流電流の測定
・直流電流(DCA)
電源と負荷の間にテスターをセットして直流電流を測定する方法です。
測定は図のように、電源と負荷の間にテスターを直列に接続して行います。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
これは、電流が回路を構成するすべての要素を通過するためで、電源 → テスター → 負荷 → 電源という経路全体に同じ電流が流れる仕組みになっているからです。テスターを直列に挿入すると、内部のシャント抵抗を通って電流が流れ、その電圧降下を検出することで電流値を表示できます。
注意すべき誤りが「並列接続」です。電源と負荷の両方にテスターを並べると、回路を流れる電流は測れず、負荷にかかる電圧しか検出できません。さらに、電流がテスターを通らないため測定不能となり、場合によっては内部回路が破損する恐れもあります。
テスターは電流測定時に低インピーダンスで設計されており、誤って電源に並列接続すると大電流が一気に流れ、計器を焼損する危険性があります。このため、多くのテスターには保護ヒューズなどが組み込まれていますが、過信は禁物です。

画像引用元:テスターの機能と使い方|製品情報 – Hioki
安全な直流電流の測定には以下のポイントに留意してください。
- 必ず直列で接続する
- 測定レンジは大きめから選ぶ
- 接続端子の選び間違いに注意する
交流電流の測定
・交流電流(ACA)
交流電流を測定するためには、デジタルテスターが必要です。アナログテスターでは交流電流は基本的には測定できません。
条件や使用するテスターの機種によっては、クランプセンサなどが必要なケースがあります。
こちらではクランプセンサを使用する場合の測定方法をご紹介します。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「交流電流」に設定
- 操作キーを設定
- 変換アダプタとクランプセンサをテスターに接続
- 変換アダプタのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- クランプセンサの電流レンジを決定(テスターとクランプオンローブに合わせる)
- クランプセンサを測定対象に接続し、測定
導通のチェック
回路が電気的に繋がっているかチェックをしたい場合や、断線の確認をする時に導通チェック機能を使用します。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「導通」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードと対象物に接続し測定
ダイオードテスト
LEDなどダイオードの状態を確認する際に使用します。

画像引用元:テスターの機能と使い方 | 製品情報 – Hioki
- スイッチまたはダイヤルを「ダイオードテスト」に設定
- 測定キーを設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードとダイオードを接続マイナス端子(黒)=カノード側、プラス端子(赤)= アノード側に接続し測定
※測定前に回路の電源を切っておきましょう。
周波数測定
周波数測定機能がついたテスターでは、電気回路の周波数を測定できます。

画像引用元:周波数の測定方法 | Fluke
- スイッチまたはダイヤルを「周波数」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードを電気回路に接続し測定
静電容量測定
静電容量測定ができるテスターでは、電子回路に使用されるコンデンサー容量が測定できます。(静電容量は単に容量と呼ばれることもあります。)
- スイッチまたはダイヤルを「静電容量」に設定
- テストリードのマイナス端子(黒)=COM、プラス端子(赤)= V Ωに接続
- テストリードを回路に接続し測定
※コンデンサ内の電荷を放電してから測定してください。
テスターを使うときの注意点

テスターはバッテリーや回路の状態を手軽に確認できる便利な測定器具ですが、誤った使い方をすると故障、ケガ、発火などのトラブルが発生するリスクがあります。
こちらでご紹介する注意点を意識した上で安全にご使用ください。
損傷がある状態で使用しない
使用前に必ずテスター本体やテストリードの状態をご確認ください。
損傷が確認された場合、そのまま使うと大変危険ですので絶対に使用しないでください。
また、テスター本体や測定者の手に水分がついていると故障や感電によるケガなどの事故の原因となります。
電流測定の状態で電圧を測定しない
電流と電圧は測定方法が異なるため、電流モードで電圧を測定したり、電圧モードで電流を測定しないよう注意してください。
設定したモードとは異なる対象を測定してしまうと、テスターの故障や回路のショートなどの事故が起こる可能性があります。
測定する時は本体のモードと測定対象が一致しているか、しっかりと確認した上で作業を行いましょう。
定格以外を使用しない
ヒューズを使用する際は、テスター定格の製品を選びましょう。
テスターにおけるヒューズは電流測定回路に電圧を入力する役割を持ち、テスターの焼損を防ぐためほとんどの製品で保護ヒューズが用いられています。
定格ではないヒューズを使用するとテスター本体が故障する恐れもあるので、テスターのスペックにあったヒューズをご使用ください。
mA/μA端子と10A端子を使い分ける
テスターには通常、小電流用の「mA/μA端子」と、大電流測定用の「10A端子」が備わっています。
mA/μA端子はヒューズで保護されており、数百mAまでの電流測定に適しています。日常的な電子工作や家電の動作確認であればこちらを使うのが基本です。
一方、10A端子は短時間の大電流測定専用で、ヒューズが内蔵されていない場合も多く、長時間の使用は故障や発熱の原因になります。
誤って大電流をmA端子に流すとヒューズが切れ、テスター自体の破損にもつながりかねません。測定対象の回路に応じて、必ず適切な端子を選びましょう。
定格以外のヒューズを使用しない
テスターには、過電流から内部回路を守るためのヒューズが組み込まれています。ヒューズを交換する際は、テスター定格の製品を選びましょう。
たとえば「mA端子:最大500mA」「μA端子:最大200μA」といった定格が設定されているものに、これを超える電流を流すとヒューズが切れてしまいます。ヒューズは消耗品であり、一度切れると交換が必要です。
定格外のヒューズを使うと保護機能が働かず、火災や感電のリスクがあります。取扱説明書に記載された定格値と交換方法を確認し、定期的にヒューズの状態を点検しましょう。万一「電流が測定できない」と感じた場合には、ヒューズ切れの可能性もあります。
測定前には端子を確認する
「リード線の差し間違い」もテスターによくある誤使用です。
電流測定後に端子をそのままにして電圧測定を行うと、内部回路に過大な電流が流れてヒューズが切れるだけでなく、計器自体を壊す恐れがあります。
そのため、測定のたびにリードがどの端子に差さっているかを必ず確認してください。特に10A端子を使った後は要注意です。
端子の位置とダイヤル設定が一致しているかを確認することが、安全な測定の基本です。最近のテスターにはブザーや表示で端子間違いを警告するモデルもありますが、「測定前に必ず端子を確認する」基本の習慣を身につけてリスクを減らしましょう。
テスターの精度と安全の規格

テスターを使用する際には、測定精度だけでなく安全規格にも注意が必要です。
特に、過電圧や瞬時的なサージから測定者と機器を守るため、テスターは「測定カテゴリ(CAT II/III/IV)」に基づいて設計されています。各カテゴリは、作業環境ごとの最大対地間電圧に対応するもので、例えば家庭用コンセント周りはCAT II、分電盤や産業用機器はCAT III、高圧受電設備ではCAT IVが推奨されます
測定時には、テスター本体だけでなくテストリードの定格電圧も確認し、使用環境に適したものを選びましょう。
測定カテゴリの目安は以下の通りです。
| 作業環境例 | 測定カテゴリ | 最大対地間電圧目安 |
|---|---|---|
| 家庭用電気機器(コンセント周り) | CAT II | 300〜600V |
| 分電盤、固定設備 | CAT III | 600〜1000V |
| 高圧受電盤、外部配電 | CAT IV | 1000V以上 |
安全に測定するためには、作業内容に応じたカテゴリと定格の確認を習慣化し、テスターとリード線が同一規格に対応しているかも必ずチェックしてください。これにより、過電圧などによるテスター損傷や感電リスクをおさえることができます。
テスターを選ぶポイント

テスター(マルチメーター)を選ぶ際には、使用目的や作業環境にあっているかを考慮し、安全かつ正確に測定できるモデルを選びましょう。以下に選定ポイントを整理しました。
1. True RMS測定機能のあるタイプを選ぶ
交流電圧や電流の正確な測定には、True RMS(実効値)測定機能が搭載されていることが理想です。これにより、波形の歪んだ電源でも正確な測定が可能となります。特に、高周波成分をふくむインバーター回路などの測定時に有効です。
2. 最大電流レンジと連続測定ができるかを確認する
テスト端子の定格電流を確認し、最大電流レンジが作業対象に適しているかを確認しましょう。例えば、家庭用のAC100V回路であれば最大電流レンジが10Aであれば十分ですが、産業用機器の測定ではより高い定格が必要となる場合があります。
また、連続測定が可能かどうかも確認し、長時間の使用に耐えるかを検討してください。
3. 端子シャッターやヒューズ断線検知機能のあるタイプを選ぶ
安全性を高めるため、端子シャッター機能やヒューズ断線検知機能が搭載されているモデルを選ぶとより安心です。これらの機能により、誤った端子への接続やヒューズ切れによる事故を防止できます。
4. クランプ機能のあるタイプを選ぶ
交流電流の測定時に便利なクランプ機能が搭載されていると、回路を切断せずに電流を測定でき、作業効率が向上します。
5. CAT定格とテストリードの定格を確認する
作業環境に応じたCAT定格(CAT II、III、IV)を持つテスターを選びましょう。家庭用であればCAT II、工場や高圧設備ではCAT IIIまたはIVが推奨されます。また、テストリードの定格電圧も確認し、使用環境に適したものを選定してください。
テスターの最新おすすめ製品をピックアップ!
現場市場でお取り扱いのあるテスター製品のおすすめを10個ピックアップしてご紹介します。
三和電気計器(株)
SANWA ポケット型デジタルマルチメータ PM3
データ保持機能で簡単確認
電気・電子回路の基本測定に適したモデルです。直流・交流電圧、抵抗、導通チェックに対応し、シンプルな操作性で初心者でも扱いやすい設計となっています。
本体厚さ約8.5mmの超薄型モデルなので携帯性に優れ、軽量で持ち運びやすく、日常点検や簡易メンテナンスに便利な一台です。
-
CAT規格:
IEC61010 CATII 500V
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耐電圧:
直流電圧500V/交流電圧500V
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カウント数:
4000
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測定スピード:
秒間3回更新
日置電機(株)
HIOKI ハイテスタ 3030-10
1mの落下にも耐えるアナログ式テスター
シンプルで扱いやすいアナログテスターで、電気・電子回路の基本測定に適したモデルです。1mの落下に耐えるドロッププルーフ構造で耐久性の高さにも定評があります。
直流・交流電圧や直流電流、抵抗測定に対応し、針式ならではの変化の読み取りやすさが特長です。電池チェック機能も搭載し、現場での点検やメンテナンスに便利で、耐久性と信頼性にも優れています。
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CAT規格:
IEC 61010 CAT III 600 V
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耐電圧:
直流電圧600V/交流電圧600V
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カウント数:
アナログ式
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測定スピード:
リアルタイム応答
(株)テクトロニクス&フルークフルーク社
FLUKE ポケットサイズ・マルチメーター(バックライト付) 107
多機能測定可能な堅牢性テスター
コンパクトで携帯性に優れたデジタルテスターです。バックライト付きディスプレイにより暗所でも視認性が高く、電圧・抵抗・導通・周波数・静電容量などの基本測定に対応しています。
オートレンジ機能やデータホールド機能も備え、初心者から現場作業まで幅広く使える信頼性の高いモデルとなっています。
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CAT規格:
IEC 61010-1 CAT III 600V
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耐電圧:
直流電圧600V/交流電圧600V
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カウント数:
6000
-
測定スピード:
毎秒3回更新
まとめ
テスターは本文でもご紹介したように手軽に電流や電圧を可視化できる便利な計測器具です。
ただ、電気を扱うという特性上、誤った使い方をしたり、破損や濡れた状態で使用すると本体の故障や感電や火傷などの怪我といったリスクを負うことにもなりかねません。
安全に作業するためにも、作業前・作業中は細心の注意を払って丁寧に測定を行いましょう。
現場市場では今回ご紹介した製品以外にも、多数のプロ仕様のテスターやテストリード等の周辺グッズを取り扱っております。
現場作業で使うためのテスターをお探しの方は、こちらもぜひご覧くださいませ。
マルチメーターの通販|現場市場
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ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
電気工事等で必須のテスター。最近の物は多機能な分、モードを間違えてしまい正しい計測が出来なかったり最悪故障するので落ち着いて正しく計測しましょう。
話は変わりますが『テスト』という言葉の由来は知っていますか?
諸説ありますが「土製の壺」を意味するラテン語「testum(テストゥム)」に由来するそうです。
なぜ壺なの?ということになりますが錬金術においてtestumが"金属を溶かして品質を調べるための坩堝(るつぼ)"を差す言葉として使われたからだそうです。
壺は新石器時代から使われた(諸説あり)というだけあり『テスト』という単語が意外に歴史深い単語だったのに驚きました。