トリマーの使い方|基本構造から加工方法別の手順まで徹底解説!

トリマーは、現場作業はもちろんDIYでも使用されることがある工具です。使い方を覚えておくと、今後の作業の幅が広がります。
一見難しそうに見えるトリマーも、コツをつかめば上手く使いこなせます。トリマーの使い方をマスターしたい人は、まずは構造を理解して正しい使い方のポイントを押さえましょう。
今回は、トリマーの基本構造や加工方法別の手順について詳しく解説します。初心者におすすめのトリマーも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
そもそも「トリマー」とは?

トリマーとは、木材加工に使われる電動工具です。「トリムルーター」と呼ばれることもあります。「trim=刈り取る・美しく見せる」が語源で、ペットの毛のカットや爪切りをするトリマー、画像処理のトリミングなどと同じ意味合いです。
電動工具のトリマーには刃物(ビット)が付いており、刃物を回転させることで木材を加工できます。ビットの種類を変えると、木材の加工内容が大きく変わることが特徴です。
トリマーでできる作業の具体例は、下記の通りです。
● 面取り
● 溝切り
● 切り抜き
木材の角を手触りがいい滑らかな状態に削ることを面取りと言います。ビットの種類によっては、飾り面取りと呼ばれるデザイン性が高い状態に仕上げたり切り抜いたりすることも可能です。
また、木材の表面にレール上の切込みを入れる溝切りもできます。
トリマーの基本構造

トリマーの仕組みはシンプルで、主に5つの部位から構成されています。
トリマーの部位ごとの名称と概要は、次の通りです。
●スイッチ
スイッチは、トリマーを木材の上にセットしたときに本体上部にくる部位です。電源のオン・オフの切り替えに使います。スイッチを入れると、ビットの回転が始まる仕組みです。
押しボタンタイプやスライドタイプなど、電源の入れ方は商品によって異なります。
●ビット ビットは、木材を削り取る刃物部分です。ビットが当たった部分のみ面取りや溝切りなどの加工ができます。
●コレットチャック コレットチャックは、本体にビットを取り付けるための部位です。コレットナットと呼ばれることもあります。コレットチャックを緩めると、ビットの交換ができます。
●ベース ベースは、本体を安定させて安全にトリマーを動作させる役割があります。ベースを木材に密着させて、浮かないように注意して操作しましょう。操作時は、右手に本体を持ち、左手でベースを押さえるのが基本です。
●ベース高さ調節レバー ベース高さ調節レバーは、木材の切込みの深さを調節するための部位です。本体に記されているメモリを見ながら高さを調節し、ずれないように固定ネジでしっかりと固定します。トリマーの操作に必要な調節は、ベースの高さのみです。
専用ビットの主な種類
トリマーの専用ビットの種類で、良く利用されるのが「溝切り用」「面取り用」「切り抜き用」の3つです。
ここからは、専用ビットの種類ごとに特徴を紹介します。
●ストレート(溝切り用)ビット
ストレートビットは、木材の溝切りに使われます。ビットの形によって溝の形状が変わることが特徴です。V溝・U溝や三角形の溝切りだけでなく、文字・飾り彫刻もできます。
具体的なストレートビットの名称は、下記の通りです。
● 巾木ビット
● U溝ビット
● V溝ビット など
文字・飾り彫刻には、V溝ビットが適しています。
●面取り用ビット
面取り用ビットは、木材の面取りに使われます。面取り用ビットは種類が豊富なため、イメージしているデザインに合わせてビットを使い分けましょう。
具体的な面取り用ビットの名称は、下記の通りです。
● ボーズ面用
● 角面用
● ギンナン面用
● ヒョータン面用
● サジ面用 など
華やかな印象にしたい場合は、ギンナン面用やヒョータン面用が適しています。
●切り抜き用ビット
切り抜き用ビットは、木材の目地払いや切り抜きに適しています。ローラーが付いているため、木材や底面がなめらかに仕上がることが特徴です。
具体的な切り抜き用ビットの名称は、下記の通りです。
● 超硬ストレートビット
● 超硬ソリッドストレートビット
● 超硬1段(片面)フラッシュビット
● Wベアリング付き目地払いビット など
ビットの種類によっては、木材の溝切りにも使えます。
トリマーに使用される専用ビットは、基本的に軸径6mmが標準です。ただし、海外メーカーのビットには軸径6.35mmもあります。
トリマーの使い方|基本準備と加工方法別の手順も

トリマーは、使い方を理解していれば初心者でも問題なく使うことができます。トリマーを安全に使用するために、まずは正しい使い方を確認しておきましょう。
ここでは、トリマーの使い方を使用前の基本準備から加工方法別の使用手順まで詳しく説明します。
使用前の基本準備
トリマーを使う前に、加工する木材はしっかりと作業台に固定しておきましょう。
作業中に木材がバタついたりキックバックが起こったりすると、作業者がケガをする可能性があります。キックバックとは、木材にビットが食い込み、反動で割れた木材が跳ね返ることです。
キックバックによるケガや切削屑の付着を避けるために、メガネ・マスク・革製の手袋などを着用して安全対策を徹底しましょう。
ビットの取り付け・交換
作業内容に合わせて適切なビットを取り付けます。
安全のために必ず電源コードを抜いた状態で行いましょう。電源コードを刺した状態で誤ってスイッチに触れてしまうと、大事故になる可能性があるため要注意です。
ビットの取り付けや交換では、スパナでモーターシャフトを固定し、別のスパナでコレットチャックを緩めたり締めたりします。ビットを置くまで差し込むと異音や負荷の原因となるため、少しだけ浮かせて取り付けることがポイントです。
ビットが外れないように、最後はしっかりと締め付けましょう。
ベース高(切削深さ)の調整
木材の加工目的に合わせて、ベースの高さを調整します。
ベースから突き出るビットが長いほど、木材を切り取る深さが大きくなります。
ベースの高さを一度に大きく変えると、切削面がガタガタになったりビットが壊れたりするため注意が必要です。安全面の確保のためにも、3mm以上深さがある場合は数回に分けて切削しましょう。
ケース(1)面取り加工
面取り加工をする場合は、事前に面取り用専用のビットをセットしておきます。
面取り加工の手順は、下記の通りです。
| 1 | ビッドが木材に当たらないように注意して電源を入れる |
|---|---|
| 2 | ビットの回転が安定したらビットを木材の縁に合わせる |
| 3 | ベースを押さえてゆっくり手前から奥に向かってトリマーを動かす |
加工する木材は、必ずトリマーの左側にくるように置きます。
面取り専用ビットにはローラーが付いているため、削りすぎる心配はありません。ただし、早く動かしすぎると切削面が荒くなり、遅すぎると焦げ付きが起こることがあるため注意しましょう。
ケース(2)溝切り加工
面取り加工と同様に、加工する木材はトリマーの左側にくるように置きます。
溝切り加工の手順は、下記の通りです。
| 1 | ストレートガイドをトリマーの右側に装着する |
|---|---|
| 2 | ビッドが木材に当たらないように注意して電源を入れる |
| 3 | ビットの回転が安定したらビットを木材の縁に合わせる |
| 4 | ベースを押さえてゆっくり手前から奥に向かってトリマーを動かす |
ストレートガイドでは長さが足りない場合や木材の端と並行ではない溝を作りたい場合は、直線状のガイドプレートを使用しましょう。
初心者にもおすすめのトリマー5選
下記に、現場市場で販売しているトリマーを5つ紹介します。特徴や仕様、費用は商品によって細かく異なるため、複数の商品を比較検討する際はぜひ参考にしてください。
京セラ/トリマー ATR51
京セラ/電子トリマー ATRE60V
HiKOKI 36Vコードレストリマ 本体のみ M3608DA-NN
ミルウォーキー M18 ボードトリマー BCT-0B APJ
ボッシュ コードレストリマー GKF10.8V-8H
まとめ
トリマーは、木材加工に便利な電動工具です。トリマーを使うと、面取り・溝切り・切り抜きなどの木材加工をスムーズにできます。
加工方法によって使う専用ビットが異なるため、まずはビットの種類や交換方法を理解しておくことが大切です。安全に作業を進められるように、使用前の基本準備も押さえておきましょう。
トリマーの使用に慣れていない人には、初心者向けのトリマーがおすすめです。専用ビットの交換やベース高さ調整がしやすく、扱いやすい製品を選びましょう。
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この記事を書いた人
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ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
今回は、トリマーの概要や基本構造、具体的な使い方(加工方法)を徹底解説しました。特に初心者の方に気を付けてもらいたいことは、加工する木材をしっかりと作業台に固定することです!クランプなどでガッチリ固定してから作業を始めましょうね。トリマーを使って好きな文字を掘ったり、デザイン性の高い面取りに挑戦したり、どんどんやりたいコトの幅を広げていきましょう♪
ちなみに、大型家具などの製作にはトリマーよりもパワフルな「ルーター」を使うことになりますが、そこまでいくとあなたはもうプロの家具職人です!