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【図解】トルクレンチの使い方|目盛りの読み方や使用時の注意点、管理方法も解説

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【図解】トルクレンチの使い方|目盛りの読み方や使用時の注意点、管理方法も解説

トルクレンチは、ボルトやナットを規定の力で締め付けるための精密工具です。タイヤ交換やフランジ締付けなど、安全性や耐久性に直結する締め付け作業が欠かせない場面で、強い味方になります。

使用手順はシンプルで、ロックを解除して目盛りを設定し、ソケットを装着してカチッと音がするまで締めるだけ。以下のようなコツもおさえると、さらに使いやすくなります。

● 精度をそこなう追い締めや延長パイプの使用は避ける
● 力点のずれによる誤差を防ぐため、作業中はグリップ中央を持つことで正確なトルクをかける
● 使用後はトルク値を最低にゆるめ、ケースに入れて湿気や振動を避けて保管する
● 精度を維持するため、年に1回程度の校正で測定精度を確認する

この記事では、トルクレンチの基本的な使い方から注意点、管理方法まで詳しく解説します。

INDEX

トルクレンチとは

トルクレンチは、ボルトやナットの締め付けにおけるトルクを測定できる工具です。トルクレンチを活用すると、適度かつ均一な力で締め付け作業が可能になります。
まずは、トルクレンチの基本的な用途、オーバートルクの危険性、そしてトルクレンチの種類について紹介します。

基本的な用途

トルクレンチは、ボルトやナットを一定の力で締め付けるために使用します。ちなみに「トルク」とは、ものを締め付けるときの力の大きさを指します。適切なトルクで締め付け作業を進めれば、部品が緩んだり、破損したりするのを防止することが可能です。
例えば、自動車やバイクのタイヤ交換時には、規定のトルクでナットを締め付ける必要があります。これにより、走行中のタイヤの脱落やナットの破損を防ぎ、安全性を確保できます。トルクレンチは、機械の整備や製品の製作などに役立つ工具です。

オーバートルクを避けるべき理由

オーバートルクとは、規定されたトルク値を超えてボルトやナットを締め付けることを指します。部品の破損や故障の原因となり得る危険な行為です。
ボルトが過剰に締め付けられると、ボルトの伸びや破断、ネジ山の損傷が発生します。たとえば、自動車やバイクのタイヤ交換においては、オーバートルクが原因でホイールナットが破損すれば、走行中にタイヤが外れるなどの重大事故に繋がる危険性があります。
破損やトラブルを低減して機械や製品の寿命を延ばすためには、組立・製作時などに、トルクレンチを使用して適切なトルクで締め付けることが大切です。

トルクレンチの種類

トルクレンチには、用途や目的に応じていくつかの種類があります。それぞれの種類には独自の特長があり、適切に選択することが作業の精度と安全性を確保するために重要です。

プリセット型トルクレンチ
あらかじめ設定したトルク値に達すると「カチッ」という音と手に伝わる軽い感触で知らせてくれます。バイクや自動車の整備などにしばしば使用されており、手軽にトルク管理ができるのが特徴です。

デジタル式トルクレンチ
トルク値をデジタルで表示し、設定したトルクに達すると音や光で知らせてくれるタイプです。高精度な測定が可能で、データを外部媒体などに記録して管理する機能が付いているものもあります。

ダイヤル式トルクレンチ
締め付けトルクの変化をダイヤルで確認できるタイプで、主に検査や精密な締め付け作業に使用されます。リアルタイムでトルクを確認しながら作業ができるため、非常に精密な作業が可能です。ただし、一定のトルク値に達したときに知らせてくれる機能は基本的にありません。

トルクレンチの使い方

トルクレンチの使用手順をまとめました。正しい順序で使用して、正確に作業時のトルク値を計測できるようにしておきましょう。
今回は、プリセット型トルクレンチにて説明します。

ロックつまみを緩めてロックを解除

まず、トルクレンチのロックつまみを緩めてロックを解除し、トルク値を調整できる状態にします。ロックつまみは通常、トルクレンチのグリップエンドや側面に設置されています。

グリップを回して目盛りを調節

ロックを解除した後は、グリップを回して目盛りを調節します。作業において、締め付けるトルク値に合わせましょう。一般的には、グリップを右に回すとトルク値が大きくなり、左に回すと小さくなります。
主目盛りと副目盛りの2種類がついている製品もあります。これらを組み合わせると、さらに精密にトルク値を設定可能です。

トルクレンチの目盛りの読み方

主目盛りと副目盛りで構成されている場合は、主目盛りで大まかなトルク値を設定し、さらに副目盛りで細かい調整を行います。たとえば、22Nmに設定したい場合、まず主目盛りを20Nmに合わせ、副目盛りを2Nmに設定します。
主目盛りと副目盛りを組み合わせることで、正確なトルク値を設定できます。適度なトルク値になっていることを目盛りで確認して、後続の準備を進めましょう。

ロックつまみを締めて再びロック

目盛りを正確に調整した後は、ロックつまみを締めて再びロックをかけましょう。これにより、使用中にトルク値がずれないように固定されます。ロックが不十分だと、作業中にトルク設定が変わって、誤ったトルクで作業を行うことになるため、しっかりと締めてロックをかけてください。

サイズが合ったソケットを差し込む

トルクレンチの設定が完了したら、サイズが合ったソケットをドライブ角に差し込みましょう。ソケットは、このあと締め付けるボルト・ナットのサイズに合ったものを使用してください。
ソケットがボルトやナットに合っていないと、正確なトルク測定ができない可能性があります。作業途中に外れないよう、ソケットはしっかりと奥まで差し込んでください。

カチッと言うまでボルト・ナットを締める

設定したトルク値までボルトやナットを締め付けます。プリセット型トルクレンチの場合、設定トルク値に達すると「カチッ」という音と手に軽い感触が伝わります。これが、設定トルクに達したことを知らせるサインです。
この時点で締め付けを止めると、事前に設定したトルク値での作業が完了します。さらに締め続けてしまうと、オーバートルクとなるため注意しましょう。

トルクレンチのおすすめ3選

「現場市場」からピックアップしたおすすめのトルクレンチ3選をご紹介します。
これらのトルクレンチは、精度や使いやすさ、耐久性に優れており、さまざまな作業現場で活躍します。用途や作業環境に合わせて最適なモデル選びの参考にしてください。

TOP ヘッド反転式モンキ形グリップ付トルクレンチ HY

プリセット型のトルクレンチで、作業するボルト・ナットに応じて毎回トルク値を設定できます。

設定トルクに達すると「カチッ」という音や手に伝わる軽いショックで締め付け完了を知らせるため、作業者の熟練度に関係なく安定した締め付けが可能です。手にフィットする樹脂グリップを採用しており、握りやすく力がかけやすいのも特徴。

長時間の作業や狭い作業スペースでも扱いやすく設計されています。主目盛の数字は透明カバーで保護されており、異物が入りにくく長く清潔に使用できます。自動車やバイク、各種機械、器具のトルク規制のあるボルト・ナットの締付はもちろん、エアコンクーラーの配管作業など、幅広い分野で活躍するモデルです。

用途に合わせて確実にトルク管理ができるため、安全性と作業効率を両立させたい現場に最適なトルクレンチとなっています。

参考:モンキ形グリップ付トルクレンチ | トップ工業株式会社

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トーニチ トルクレンチ 差込角9.53 全長226mm QL25N-MH

設定したトルクに達するとトグル機構が作動し、シグナル音で締め付け完了を知らせるプリセット型トルクレンチです。

差込角9.53mm、全長226mmで右方向負荷専用設計となっており、24枚刻みのラチェットヘッドにより、15度の振り幅で正確な作業が可能です。このため、狭いスペースや精密な締め付けが求められる現場でも高い操作性を発揮します。

トルク範囲は5〜25N・mで、最小0.25N・m刻みの目盛で細かく設定可能。油や薬品にさらされる過酷な作業環境でも安定した精度(±3%)を維持できます。また、新副目盛形状により、汗や油が付いた手でもトルクがセットしやすい点も現場で重宝するでしょう。

一般的なボルト締め付け作業はもちろん、フィールド作業や工場・メンテナンス現場など幅広い用途で活躍するモデルです。

参考:東日製作所 | 製品情報 | QL-MH

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KTC デジラチェ ドライバタイプ GLK

デジタル表示により設定トルクを簡単に確認できる、高性能ドライバタイプのトルクレンチです。極小トルクのねじ締めも安全かつ確実に行え、右ねじ・左ねじの両方向測定やISO基準をクリアする本格派機能を備えています。

トルク測定は「計測モード」「プレセットモード」「合否判定モード」の3種類から用途に応じて切り替え可能で、最大5件までのメモリー登録も可能です。表示方法も「ピークホールド」「オートクリア」「トラックモード」の3種類を選べ、作業後の確認や連続作業時、リアルタイム測定まで柔軟に対応。LED表示とブザー音でトルク到達を知らせるため、液晶画面が見えにくい角度でも正確に作業できます。

さらに、トルク単位の換算機能も搭載し、cN・mやN・mからkgf・m、ozf・in、lbf・in、lbf・ftまで変換可能。オートパワーオフやアラーム機能で長時間作業も安心で、精密作業の強い味方になるモデルです。

参考:デジラチェ ドライバタイプ | KTCツールオフィシャルサイト

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トルクレンチの活用例:タイヤ交換・フランジ締付け

トルクレンチは、自動車整備や機械設備の現場で、締め付け力を正確に管理するための必須工具です。トルクレンチを正しく活用できると、機器の寿命を大きく向上させることができます。
タイヤ交換やフランジ締付けのような現場での利用イメージと、現場での作業精度や効率をアップさせるコツをおさえておきましょう。

タイヤ交換での使用

自動車のタイヤ交換では、ホイールナットの締め付けトルクが安全性に直結します。

締め不足は走行中のナット緩みやホイール脱落の原因になり、逆に過締めはナットやハブボルトの破損につながります。

トルクレンチを使う際は、まずクロスパターンで仮締めし、その後規定トルクで本締めするのが基本手順です。これにより、タイヤの全ナットに均等な力がかかり、自動車走行中の安全性を確保できます。

フランジ締結での使用

配管や圧力容器のフランジ締結では、ボルトごとのトルク差が密封性や耐圧性に大きく影響します。

交互締めで段階的に締め付けることで、フランジ全体に均等な力を分配し、シール不良や漏れを防ぐことが可能です。

トルクレンチを使用することで、規定トルクを正確に適用でき、作業精度を維持しながら安全な接続が実現します。

現場での作業精度・効率をアップさせるコツ

実際の作業で締め付け精度や効率をアップさせるには、トルクレンチの正しい操作が不可欠です。

延長パイプやアダプタを使用せず、指定のグリップ位置で力を加えることで、設定トルクを正確に伝えられます。

また、作業環境や姿勢にも注意し、トルクレンチの取り回しを工夫することが重要です。作業後は清掃・保管を徹底し、精度を長期間維持することで、毎回の作業で正確なトルク管理が可能になります。

トルクレンチを使用するときの注意点

トルクレンチを使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。注意点を守って、トルクレンチの性能を維持しながら安全に使用しましょう。

正しく力点を持って作業する

トルクレンチを使用する際には、正しい力点で力をかけましょう。力点は、トルクレンチを握る位置のことで、通常はグリップの中央にあります。力点がずれると、設定したトルク値が正確に適用されず、締め付けの精度が低下する可能性があります。
正しい力点でトルクレンチを握ることで、トルクレンチが本来の性能を発揮し、正確なトルクでの締め付け作業が可能になります。

締めすぎに注意

プリセット型トルクレンチを使用する場合、設定トルク値に達すると「カチッ」という音とショックが伝わります。このサインが出たら、必ずそこで締め付け作業を止めてください。締めすぎはオーバートルクとなり、ボルトやナット、さらには取り付け部品自体にダメージを与える可能性があります。

緩めるときには基本的に使用しない

トルクレンチは、ボルトやナットを締め付けるために設計された工具であるため、緩める作業に使用するのは避けましょう。
逆方向にトルクレンチを回して緩めると、内部の機構が損傷し、トルクレンチの精度が低下する恐れがあります。ボルトやナットを緩める際には、レンチやスパナなどを使用することをおすすめします。

パイプやアダプタを使った延長をしない

トルクレンチにパイプやアダプタを取り付けて力を増幅すると、設定トルク以上の力がかかりやすく、内部機構が破損するリスクがあります。また、アダプタの角ドライブ破損によるゲガの原因にもなります。
作業は必ずレンチ単体で行い、規定トルクを超えないよう注意してください。

通電中の作業は厳禁

電気機器の締め付け作業中に通電状態で使用すると、感電やトルクレンチの絶縁部分の損傷を招く危険があります。必ず電源を切った状態で使用してください。

ラチェットや他の工具で代用しない

トルクレンチの代わりにラチェットレンチやモンキーレンチで締め付けると、精密なトルク制御ができず、ボルトやナットの破損、部材への負荷増加の原因となります。
また、ラチェットハンドルやハンマーがわりにトルクレンチを使用するといった用途外の利用や、放り投げるなど乱暴な取り扱いもトルク精度の異常や破損、怪我の原因になります。くれぐれも用途にそった利用を心がけましょう。

把持位置を変えない

トルクレンチは指定のグリップ位置で力を加えることが前提です。途中で把持位置を変えると設定トルクが正しくかからず、締め付け精度が低下します。
必ずグリップ中央を保持し、一定の姿勢で操作してください。

トルクレンチの正しい管理方法

トルクレンチは精密機器であり、適切な管理が求められます。トルクレンチを長期間にわたって正確に使用するためには、保管方法や定期的なメンテナンスが非常に重要です。
以下に、トルクレンチの正しい管理方法について詳しく説明します。

保管時はトルク値を最低に緩める

トルクレンチを使用し終わったら、トルク値を最低に戻して保管しましょう。内部のスプリングが圧縮されたまま放置されると、スプリングが劣化し正確なトルク値が設定できなくなる可能性があります。
トルクレンチの測定精度を長期間維持するために、保管時にはトルク値を最低に設定しておきましょう。

高温・多湿・ほこりは避け、付属のケースに入れて保管を

トルクレンチは、温度や湿度、ほこりの影響を受けやすい機械です。高温多湿を避けて、ほこりが少ない場所で保管しましょう。
特に湿気は、トルクレンチ内部の金属部品を錆びさせる原因となり、測定精度に悪影響を及ぼします。湿気から守るためにも、トルクレンチは必ず付属のケースに入れて保管しましょう。さらに、ケース内に乾燥剤を入れておくと、湿気からトルクレンチを保護できます。

振動もトルクレンチには禁物

トルクレンチは振動に弱いため、保管時には振動が少ない場所を選びましょう。振動がトルクレンチに加わると、内部の機構がずれたり、部品が摩耗したりする可能性があります。これにより、トルクレンチの測定精度が低下し、正確なトルク管理ができなくなる恐れがあります。

年に1度は精度を確認する

トルクレンチは使用を重ねることで、測定精度が徐々に低下することがあります。そのため、年に1度はトルクレンチの精度を確認しましょう。トルクレンチテスタを使用して、トルクレンチの精度を点検、確認してください。狂いがある場合には、メーカーに依頼して修理するか、トルクレンチを交換しましょう。

まとめ

トルクレンチは、ボルトやナットを適正なトルクで締め付けるための重要な工具です。オーバートルクを避けて適切なトルク値での作業を徹底することで、機械整備や工作作業などの精度を高められるでしょう。
正しい使い方を守り適切な管理を行うことで、性能を最大限に引き出し長期間にわたってトルク値を測定可能です。使い方はもとより保管方法にも気を配って、トルクレンチを長持ちさせましょう。
現場市場では、今回紹介したトルクレンチを始め、さまざまな工具を取りそろえています。DIYや工場での作業、機械整備などで工具が必要になったら、ぜひ現場市場のオンラインショップを覗いてみてください。
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ヤスのコメント

トルクレンチは安全の為にも正しく計測して利用したいですね。
以前、自己流でタイヤのボルトを締めたが結局脱輪してしまい事故につながった痛ましい事件もありましたのでナットという小さな部品ではありますが本当に気を付けたいです。
危険なナットは異音がしたりと外れる兆候もあるので未然に防げるようにしておきましょう!




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ヤス

愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!

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