ドライバーの種類は?形状や用途別の分類と選び方を紹介
ドライバーはDIYやちょっとした作業で重宝する基本的な工具の一つです。DIYを趣味とする人はもちろんですが、そうでなくても家庭に1セットは置いておきたい工具です。
ドライバーには先端の形状や機能などに応じてさまざまな製品があります。締めるネジの形状や用途をふまえて、自分にあったドライバーを選びましょう。今回の記事ではドライバーの種類の紹介や、ドライバーの選び方について紹介します。
ドライバーの種類
ドライバーは、その形状やサイズ、機能に応じてさまざまな種類が存在します。次の観点で、適切なドライバーを分類して、選んでいきましょう。
● 先端の形状による分類
● サイズによる分類
● 先端とグリップの結合方式による分類
● 機能による分類
それぞれのドライバーの種類の特徴について詳しく紹介します。
ドライバーの種類@先端の形状による分類
ドライバーの先端形状は、対応するネジの種類に応じて異なります。特に一般的なものはプラスドライバー・マイナスドライバーです。
プラスドライバーは十字の溝が刻まれたネジを回すためのもので、ネジとドライバーの刃先が噛み合うため、回転時に滑りにくくしっかりと締め付けられます。家具の組み立てや電池の入れ替えなど、一般家庭で特に頻繁に使用されるドライバーです。
マイナスドライバーは、一文字の溝が刻まれたネジを回すためのものです。プラスドライバーに比べてネジの頭が傷つきにくいという利点があります。また穴が他のネジ穴と比べると単純な形状をしているため、汚れがたまりにくいのも特徴です。一方で、プラスドライバーと比べると滑りやすいため、強い力を必要とする作業には不向きです。
その他には、以下のような形状のドライバーもあります。それぞれに適したネジ穴のボルト・ナットを締める、もしくは緩めるときに使用します。
ドライバー | 用途やネジ穴の形状 |
---|---|
ソケットドライバー | 六角ボルトやナットを回すためのドライバー。機械や自動車のメンテナンスにおいて頻繁に使用される。 |
ヘックスドライバー | 六角穴付きボルトを回すためのもので、家具の組み立てや機械の修理に使用される。 |
トルクスドライバー | 星型の溝が刻まれたネジを回すためのもので、主に電子機器や自動車産業で使用される。 |
スクエアドライバー | 四角ネジを回すためのドライバー。筋交い金物の組み付けや建築関連に使用。 |
ドライバーの種類Aサイズによる分類
ドライバーのサイズも、適切な選定において非常に重要です。サイズが合わないドライバーを使用すると、ネジを傷めたり、回せなくなったりすることがあります。プラスドライバーのサイズは、一般的に0番から4番までの番号で示されます。
呼び | 0番 | 1番 | 2番 | 3番 | 4番 |
---|---|---|---|---|---|
軸長(mm) | 75 | 75 | 100 | 150 | 200 |
軸径(mm) | 3または4 | 5 | 6 | 8 | 9 |
小ネジの呼び径(mm) | 〜2 | 〜2.9 | 3〜5 | 5.5〜7 | 7.5〜 |
使用頻度が高いのは2番で、初めてドライバーを購入する場合はこの2番を中心に選ぶと良いでしょう。マイナスドライバーのサイズは刃幅と軸の長さで区別されます。
軸長 | 50 | 75 | 100 | 125 | 150 | 200 | 250 | 300 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
刃幅(mm) | 4.5 | 5.5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 10 |
刃厚(mm) | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1 | 1.1 | 1.2 | 1.2 |
一般的には刃幅が5.5mm〜8mm程度のものが使用されます。なお、これ以外の規格のマイナスドライバーも存在します。
ドライバーの種類B先端とグリップの結合方式による分類
ドライバーの先端とグリップの結合方式にもいくつかの種類があります。一般的なのは普通形と貫通形です。普通形は軸がグリップの途中までしか入っていないタイプで、一般家庭用として広く使用されています。
これに対して貫通形は、軸がグリップを貫通しているタイプです。軸の端がグリップの底まで達しています。柄の先端部が金属になっていて、この部分をハンマーで叩くことによって、強くしまったネジや錆びたネジを緩められる場合があります。
ドライバーの種類C機能による分類
ドライバーには、特定の用途や機能に応じたさまざまな種類があります。ラチェットドライバーは、グリップと軸が固定されておらず、一方向に回転させるときにしか力が伝わらないため、効率的にネジを回すことができます。力が加わる方向をスイッチで変更することも可能です。これにより、作業を無駄なくに進めることが可能です。
インパクトドライバーは、ハンマーで叩くとその衝撃が回転力に変わり、固着したネジを緩めるのに適しています。特に、自動車の修理や建設作業などでのネジの取り外しに重宝します。
スタビードライバーは短く小型の工具で、狭い場所での作業に適しています。通常のドライバーでは届かない場所でも作業が可能です。
精密ドライバーは、メガネや精密機器の小さなネジを回すためのドライバーで、細かい作業に使用できるよう、軸が細く作られています。絶縁ドライバーは、軸が樹脂などの特殊素材でできていて、感電しにくくなっている工具です。電気工事などに重宝します。
ドライバーの選び方
ドライバーを選ぶ際には、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
● ネジ穴に合わせて先端の形状があったものを選ぶ
● サイズを踏まえて選ぶ
● 用途を踏まえて必要な機能が備わったドライバーを選ぶ
● 迷ったら複数のドライバーが入ったセットを選ぶのも一案
自分に合ったドライバーを購入・使用して、作業を効率よく進めましょう。
ネジ穴に合わせて先端の形状があったものを選ぶ
ネジ穴に合わせて先端の形状があったものを選ぶことが、基本条件です。プラスネジにはプラスドライバー、マイナスネジにはマイナスドライバーを使用します。特殊なネジには専用のドライバーを用意する必要があります。
無理にネジ穴と合わない形状のドライバーを使用すれば、作業効率が悪くなりますし、さらにネジ穴が潰れてしまう原因となるため避けましょう。
サイズを踏まえて選ぶ
ネジのサイズに合ったドライバーを選ぶことが重要です。サイズが合わないとネジを傷めたり、作業がスムーズに進まないことがあります。
プラスドライバーやマイナスドライバーに対応したネジは多くの箇所に使用されています。サイズもさまざまですが、一部の例外を除いて基本的に規格は数パターンに決まっています。かならず規格の合ったドライバーを使用しましょう。
用途を踏まえて必要な機能が備わったドライバーを選ぶ
用途を踏まえて必要な機能が備わったドライバーを選ぶことも大切です。例えば、固着したネジを緩める場合にはインパクトドライバー、狭い場所での作業にはスタビードライバーが適しています。
電線付近で作業するなど感電のリスクがある場合には絶縁ドライバーを使用しましょう。作業の内容に応じて適切なドライバーを選ぶことで、効率的かつ安全に作業を行うことができます。
迷ったら複数のドライバーが入ったセットを選ぶのも一案
どのドライバーを選ぶか迷った場合は、複数のドライバーがセットになった製品を選ぶのも一案です。
さまざまなサイズ・形状のボルトやナットでの工作作業に対応できるため便利です。特にDIY初心者や、家庭に1つ置いておきたいという場合には、基本的なサイズや種類が揃ったセットが役立ちます。
まとめ
ドライバーは、日常生活やDIY、プロの作業まで幅広く活躍する基本的な工具です。先端の形状、サイズ、軸と柄の結合方式、機能などの違いを理解し、用途に応じて適切なドライバーを選ぶことが重要です。ネジに合ったドライバーを選ぶことで作業効率が上がり、ネジや工具を傷めることなく安全に作業を進められます。
自分に合ったドライバーを見つけて、より快適な作業環境を整えましょう。適切な工具を選び、正しい方法で使用することで、作業の効率と安全性を高めることができます。
現場市場では、今回紹介したドライバーを始めとした、さまざまな工具を販売しています。DIYが趣味の方も工場などで作業する方も、買いそろえたい工具や材料があるなら、気軽に現場市場を訪れてみてください。
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この記事を書いた人
ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
記者は昔インパクトドライバーで仕事をしていた時期があり、その癖で家のDIY用の簡素な電動ドライバーとネジでも締めの最後にググっと力を加えてしまってネジ穴をつぶしてしまい家族に怒られることが多々あります。
皆さまも気を付けてください。