スパナとは|レンチとの違い・種類一覧・サイズ早見表(Mねじ⇄二面幅)まで解説

スパナはDIYや工場での組み立て・分解作業、自動車整備など幅広いシーンで活用される工具です。
ボルトやナットを回すための基本工具であり、選ぶ際の基準となるのは「二面幅」です。二面幅とはナットやボルト頭部の対辺寸法のことで、スパナは必ずこれに合わせて選ぶ必要があります。
サイズが合わないスパナを使うと角をつぶして「ナメる」原因となり、部材やスパナを傷めてしまうため注意が必要です。
Mねじサイズ と二面幅の早見表
| Mねじサイズ | 二面幅(mm) |
|---|---|
| M3 | 5.5 |
| M4 | 7 |
| M5 | 8 |
| M6 | 10 |
| M8 | 13 |
| M10 | 17 |
| M12 | 19 |
| M14 | 22 |
| M16 | 24 |
| M20 | 30 |
| M24 | 36 |
※JISには一部例外規格があります。詳細は附属書を参照してください。
参考:JISB1002:1985 二面幅の寸法
さらに本記事では、スパナとレンチの違い、種類ごとの特徴、JIS規格に基づく分類や注意点まで幅広く解説しています。
ぜひ自分に合ったスパナ選びの参考にしてください。
スパナとは?

スパナは、ナットやボルトを仮止めしたり、大きな工具を使えないような場合にナットやボルトを回して取り付けたりする際に使用します。逆に、部品に付いたナット・ボルトを緩めて取り外す際にも使います。
ホームセンターなどにたくさんの種類が売られていて、普段工具に触れる機会が少ない人でも見たことがある人は多いでしょう。DIYをする人や、仕事で工具を取り扱う人なら、自分用のスパナを複数持っている場合も少なくありません。
ちなみに「スパナ」の名前の由来は「ねじる」といった意味を指す、イギリスの「spanner」からきています。
スパナとレンチの違い

スパナとレンチは同じようにボルトやナットを回す工具ですが、日本では用語の慣習に違いがあります。JIS規格において「レンチ」は工具全般を指す広い概念で、その中で先端が開放された形のものを「スパナ」、環状でナットを囲むものを「めがねレンチ」と呼び分けています。
海外では「wrench」という言葉でまとめて扱う場合も多く、日本語のほうが細分化されているのが特徴です。
支持点の違いによる適性
スパナとレンチの違いを理解するうえで重要なのが「支持点の数」です。
スパナはボルトの二面を挟む「2点支持」で、ボルトを仮締めしたり、素早く回したりする用途に適しています。
一方でめがねレンチは六角をぐるりと囲む「6点支持」となり、力を均等に伝えられるため、本締めや強いトルクを必要とする作業に向いています。
用途に応じて正しく使い分けることが作業効率と仕上がりを左右します。
誤用によるリスク
スパナとレンチを区別せずに使用すると、思わぬトラブルにつながることがあります。
特にスパナは2点支持であるため、本締めに使うとナットの角がつぶれやすく、部材や工具の破損を招く恐れがあります。
正しくは、スパナは早回しや仮締め、めがねレンチは本締めといった使い分けが基本です。用途に合った工具を選ぶことで、安全性と作業精度を確保できます。
スパナ・レンチの種類

次のとおり、スパナ・レンチにはさまざまな種類があります。
● 片口スパナ
● 薄口スパナ
● コンビネーションレンチ
● モンキーレンチ(アジャスタブルレンチ)
● トルクレンチ
それぞれの種類に合った状況下で使用をすることで、効率よく作業ができるようになります。また、仕上がりが精巧になり完成品の強度も高まると思います。スパナ・レンチを使用する際には、どの種類を使うべきかをよく見極めて作業にとりかかってください。
片口スパナ
片口スパナとは片方の先端部分が開口しているスパナの形になっており、ボルトやナットを締めたり緩めたりするのに使用するポピュラーなスパナです。スパナと言われて皆さんが思い浮かべるのはおそらくこの片口スパナでしょう。
片口スパナはプロが行う機械の整備や工場での使用だけでなく、DIYでもよく使用されています。工具箱を開けたら必ず1つは入っている程たくさん使用されるスパナです。
薄口スパナ
薄口スパナは、両口の先端でボルト・ナットを締めたり緩めたりできる形状が多いです。名前のとおり厚みが薄いスパナです。一般品より薄いですが、他のスパナと同じように使用できます。
ひと口に薄口スパナと言っても、先端の形状が少しずつ違うさまざまなタイプが売られています。作業に使うボルトやナットに合った製品を選びましょう。一般的なスパナと比べてとても軽いのも特徴です。薄いので、狭いスペースでの作業に適しています。
コンビネーションレンチ
コンビネーションレンチは、片方の先端が解放されているスパナ状で、他方はメガネレンチの形状をしたレンチです。メガネレンチとは、先端部分が解放されておらずリング状の形をしているレンチを指します。
コンビネーションレンチの先端部分のサイズは、両方とも同じサイズとなっています。コンビネーションレンチは、作業箇所や状況に合わせて1本のレンチで対応できるのが特徴です。たくさんの工具を持って行きづらい高所や、狭い作業スペースなどで重宝します。
モンキーレンチ(アジャスタブルレンチ)
モンキーレンチは他のレンチと違い、ボルトのサイズに合わせてレンチの開口部のサイズを調節してできるレンチです。正式名称は「アジャスタブルレンチ」でモンキーレンチは通称です。
多くのレンチはボルトのサイズとレンチの開口部のサイズが合うものでないと使えません。一方で、モンキーレンチは1本で複数のサイズのボルトに対応できます。
デメリットとしては、レンチの開口部の大きさをボルトのサイズに合わせて調節しないと、作業中にボルトを傷つけて破損させてしまったり、充分な固定ができない点です。
トルクレンチ
トルクレンチとはトルク値をレンチに設定して、決められたトルク値でボルトやナットを固定できるレンチです。整備関連の仕事であったり、工場で使用されることがほとんどです。
トルク値とは製品によりボルトやナットを固定する際の力の値のことです。ボルトやナットの固定が不充分だと、製品の故障、作業中の事故の原因となります。反対に固定する際に締め付ける力が強すぎると、ボルトやナットが破損してしまうこともあります。
上記のような事象を事前防止するために、適正なトルク値で締めつけたい現場で使用します。細かいトルク値を管理しながら、作業ができるのがこのトルクレンチです。
トルクレンチの中には、さらにつぎのような種類があります。
● 直読式トルクレンチ:目盛りで適切なトルク値を設定できる
● シグナル式トルクレンチ:設定したトルク値になると振動・アラームで知らせる
● デジタルセンサー式トルクレンチ:直読式・シグナル式の両方の機能を合わせ持つ
工場や自動車整備など、より正確な作業が要求される現場でしばしば利用されます。
JISにおける基本分類
スパナはJIS B 4630において、ナットやボルトを締め付ける工具として定義されています。
形状の違いによって「片口スパナ」「両口スパナ」に分けられ、さらにヘッド形状として「丸形」と「やり形」が規定されています。
丸形は強度に優れ、やり形は先端が細長いため狭い箇所での作業に有利です。
DIYや機械整備で一般的に使われる片口スパナも、この規格に則ってサイズや形状が定められています。
等級区分:普通級と強力級
スパナには強度に応じて「普通級(N)」と「強力級(H)」の区分があります。
普通級は日常的な整備や軽作業に適しており、一般的な工具箱に入っているスパナの多くはこちらに該当します。
一方で強力級は厚みがあり、より大きなトルクをかけられる仕様です。自動車や機械設備の整備など、強い締め付けが求められる現場では強力級の使用が推奨されます。
作業内容に応じて等級を選ぶことが、安全性と効率性の両立につながります。
ヘッド形状と注意点
スパナのヘッド形状には、汎用性の高い「丸形」と、先端が細く狭所作業に向く「やり形」があります。
やり形は薄く作られているため奥まった場所に差し込みやすい反面、過大な力をかけると変形や破損のリスクがある点に注意が必要です。
狭所向けか強度重視か、作業環境を踏まえた選択が求められます。
派生タイプと関連工具
スパナの派生タイプとしては、片側がスパナ、もう一方がめがねレンチの形をした「コンビネーションレンチ」が代表的です。
1本で仮締めから本締めまで対応できるため、携帯性に優れます。
また、JISでは「引掛けスパナ(フックレンチ/ピンスパナ)」もスパナ系工具に含まれます。これは円形の部材に設けられた溝や穴に引っ掛けて回すための専用工具で、ベアリングナットやロックリングの脱着に用いられます。
こうした多様なバリエーションを知っておくと、活用範囲によってスパナを選ぶときに便利です。
自分に合ったスパナ・レンチの選び方

スパナ・レンチは種類が多岐にわたるため、どう選んでいいのかわからない人も多いでしょう。ここからは、スパナ・レンチ選びにおいて重要な点を紹介します。購入する製品で悩んでいる人は、ぜひ参考にして下さい。
使用するナット・ボルトのサイズに合わせる
スパナやレンチを選ぶ際に1番大切なことは、使用するナットとボルトのサイズに合ったものを選ぶことです。サイズが違ったものを選んでしまうと、ボルトもナットも回せなくなってしまい、作業ができなくなってしまいます。
無理矢理回そうとすると、ボルトやナットを破損してしまい、使えなくなってしまう可能性があります。
六角のボルトの二面幅にも着目
サイズを確認したら六角ボルトの二面幅も確認しましょう。二面幅とは六角ボルトのスパナを回す部分(六角頭)を真上から見た時に、お互いに平行に向かい合っている辺の幅を指す言葉です。
スパナやレンチには、二面幅の値が設定されています。六角ボルトを使用するときには、二面幅の値もしっかり調べて、適切なサイズのスパナ・レンチを選んでください。
用途に合ったものを選ぶ
たくさんの種類があるスパナとレンチは、それぞれ適した作業や向いていない作業、使用場所があります。自分がどういった用途でスパナとレンチを使用するのか、整理したうえで製品を選びましょう。
作業スペースの広さ、ボルトやナットの締める強さなど、スパナ・レンチを選ぶ前に整理しておくべき条件がいくつかあります。スパナ・レンチに求める条件をまとめたうえで、作業用途に合った工具を選んで、DIYや工場での作業を効率よく進めましょう。
まとめ

スパナ・レンチは、ボルト・ナットを使用する作業において重宝する工具です。さまざまな種類があるので、サイズや用途を踏まえて最適な工具を選んでください。
現場市場では、今回紹介したスパナ・レンチのほか、多様な工具を販売しています。DIYを楽しむ方にはもちろん、プロの方も満足の豊富な商品ラインナップとなっています。工具をお買い求めの際には、ぜひ一度現場市場を訪れてみてください。
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この記事を書いた人
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ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
日常生活でも現場作業でも使う機会が多いスパナは種類がたくさんあるので作業内容に合わせて選定頂けたらと思います。
そんな中とんでもないサイズのスパナがあることはご存じでしょうか?
旭金属工業株式会社様が製造したスパナで、写真はこちらです
どんな作業で使うのか全く想像が付きませんが本当にすごいですね…!
使っているところを是非動画で見てみたいです笑