ソケットレンチの差込角とは？サイズや呼び方を詳しく紹介

そもそもソケットレンチとは？

ソケットレンチは、ボルトやナットを締めたり緩めたりするための工具のひとつです。ハンドル部分と、ボルトやナットに取り付けるためのソケット部分から構成されています。
ソケット部分を取り替えることで異なるサイズのボルトやナットに対応できる点が特徴です。自動車整備や機械のメンテナンス、DIY作業など、幅広い用途で使用されています。

ソケットレンチの構造

ソケットレンチのパーツは、ハンドル、ヘッド、回転切り替えレバーの3つとヘッドに取り付けるソケットです。
ハンドル側のヘッドの先端にソケットを取り付けるための四角い凸部「ドライブ角」がついています。逆にボルト・ナットを締め付ける先端部分であるソケットの方には凹部があり、これを差込角とよびます。
ソケットはボルトやナットのサイズに合わせて取り替えることができ、各ソケットの裏側には対応する四角い穴が開いています。穴にハンドルの差込角にソケットを差し込み、固定して作業を進めます。
レバーは、緩める方向・締める方向を切り替えるためのものです。これにより両方向の締め付け作業に対応可能です。

差込角はソケットとハンドルを接続する部分

差込角とは、ソケットレンチにおけるハンドルとソケットを接続するための部分です。ソケットレンチは、ハンドル側のドライブ角とソケット側の差込角が合わさって固定される構造となっています。これにより、ソケットがハンドルから外れることなく、しっかりとした力をボルトやナットに伝えられます。
差込角のサイズは標準化されており、異なるメーカーの工具であってもサイズが一致していれば互換性があります。

サイズ一覧表

一般的に使用される差込角のサイズとその対応するインチおよびミリ表記を、一覧表にまとめました。

差込角にはさまざまなサイズがあります。ドライブ角と差込角の互換性を確認して使用しましょう。

なぜ差込角には複数のサイズがあるのか？

差込角に複数のサイズが存在する理由は、さまざまな作業環境やボルト・ナットのサイズに対応するためです。基本的に差込角のサイズとソケットレンチのサイズ、および生み出すトルクの大きさは比例します。
小さな差込角は、狭い場所での作業や締め付け具合を細かく調整するときなどに便利です。一方、大きな差込角は、大きなトルクを必要とする作業や大型機械の整備に適しています。
例えば、車両のエンジン整備では、3/8インチ（9.5ミリ）の差込角が一般的に使用されますが、大型トラックや産業機械の整備では、1/2インチ（12.7ミリ）やそれ以上のサイズが必要となる可能性があります。作業の内容や使用するボルト・ナットのサイズによって、適切な差込角のサイズを選びましょう。

基本的にはハンドルとソケットの差込角を合わせる必要がある

差込角のサイズが異なるソケットとハンドルを、組み合わせて使用することはできません。したがって、差込角とドライブ角の互換性を確認のうえ、ソケットをハンドルに取り付けましょう。無理にサイズの合わないソケットを取り付けようとすると、故障・破損の原因になります。

アダプターで調節できる場合も

差込角が一致しない場合でも、アダプターを使用することで異なるサイズのソケットとハンドルを組み合わせることができます。アダプターは、ハンドルとソケットの間に挿入することで、サイズを変換する役割を果たします。
ただし、アダプターを使用する際には、力の伝達が低下する可能性や、アダプター自体の強度が不足して破損の原因となる場合があります。やはり可能であれば、ぴったり合った差込角とドライブ角を使用するのが望ましいといえるでしょう。

スタンダードソケット

スタンダードソケットは、最も一般的なタイプのソケットです。短いため狭いスペースでも使いやすいのが特徴です。ボルトやナットのサイズに応じてさまざまな種類があり、日常的なメンテナンス作業に適しています。
スタンダードソケットには、六角形と十二角形のタイプがあります。六角形6角形の方がより一般的ですが、十二角形は角度調整がしやすいのが特徴です。

ディープソケット

ディープソケットはスタンダードソケットよりも長い形状をしており、ボルトが奥まった位置にある場合や、ボルトが長く突き出ている場合に使用します。
ディープソケットは、その長さからスタンダードソケットでは届かない場所での作業に活躍します。状況によりスタンダードソケットと使い分けると、幅広い作業に対応できます。

グリップソケット

グリップソケットは、ソケット内側に備わったボールや樹脂製クッションにより、ボルトやナットをしっかりと保持することができるタイプです。ボルトやナットを落とすリスクを減らせます。部品を落とすと拾えないような奥まった場所、狭い場所で活躍するソケットです。

ヘキサゴンソケット

ヘキサゴンソケットは、ヘッド部が六角形のソケットです。六角形の穴が開いたボルトやナットに使用します。こうしたボルト・ナットは、六角レンチで締めたり緩めたりするのが一般的ですが、ソケットレンチを使用すれば奥まった場所のボルト・ナットへも作業が可能です。

インパクトソケット

インパクトソケットは、インパクトレンチなどの電動工具と組み合わせて使用されるソケットです。通常のソケットよりも厚みがあり、強度が高いのが特徴です。
インパクトソケットは、大きなトルクが必要な作業や、頻繁に衝撃を与える必要がある作業に適しています。例えば、自動車のタイヤ交換や、大型機械の分解作業などで活躍します。