切断砥石と研削砥石の使い方
よく包丁や刃物など、切れ味を復活させるために研ぎます。
その際に使用される道具として砥石は聞き馴染みがありますが、実は工業製品にも砥石があります。
金属などの対象物を切断する砥石や削ったり、研磨する砥石です。
今回は、工業製品の砥石の使い方や選び方についてお伝えしたいと思います。
切断砥石と
研削砥石とは?
包丁や刃物を研ぐ家庭用の四角い砥石と違い、工業用の砥石は主にディスク(円盤)の形状をしています。
形状は同じでも、用途によって切断用と研削研磨用の2つに分類されます。
切断砥石とは、その名の通り、金属類を切断するのに使用する砥石です。ワークに対して垂直に砥石の円周面を当てる切断砥石です。
主にディスクグラインダーや高速切断機に使用されることが多く、砥石の円周面にて対象物を削りながら切断します。
建築金物のアングルや角材や配管工事のパイプやスパイラルダクトをカットする際に使用されます。
研削砥石は、削ったり磨いたりする際に使用され、ワークに対して15°〜30°の適正角度で砥石の側面を当てて研削研磨していきます。
研削砥石は、切断砥石と同様にディスクグラインダーに取り付けて使用します。
研磨というよりは、粗削り、中削りに使用されることが多いです。
部材のバリ取りや溶接部のビード取りなど粗削りに使用されます。
砥石の良く使用される形状には、ディスク型とオフセット型の2パターンあります。
ディスク型は、切断砥石に多く見られ、フラットな円盤型が特徴です。
オフセット型は、中央部分がお椀のように盛り上がっている円盤型形状の製品になります。
オフセット型の利点は、ディスクグラインダーの砥石を押さえる締付ナットが砥石に隠れることで、切断箇所の作業面を根本にすることが可能になります。
作業場面では面一切断と呼ばれることもあります。
どちらの砥石も見た目は似ています。しかし使用条件が全く異なるため、砥石の破損や大事故に繋がる恐れがあるため、使用する際はしっかり確認してご利用ください。
切断砥石と
研削砥石の選び方
砥石には多くの種類があります。
切断砥石と切削砥石の選び方を5つの項目にわけました。
取付機械や用途に合わせて砥石を選ぶ必要があります。
使用条件によって仕上りや製品寿命が大きく変わりますので、項目に合わせて最適な製品を選んでください。
【切断・研削砥石の選び方】
@寸法・形状
まずは、取り付ける工具に合った砥石を選んでいきましょう。
多くのメーカーさんは、外形(mm)×刃厚(mm)×穴径(mm)の順番でサイズを表示されています。
良く使われるディスクグラインダーには、径の小さな100mm〜180mmの砥石が主に利用されます。
使用する工具や切断機などによって使用可能な最大寸法が違いますので、表記されている項目を確認して、砥石を選びましょう。
砥石の厚みによって切断時の仕上りや砥石自体の寿命が変わってきますので、しっかりと確認しましょう。
次に形状を確認します。
前述した通り、切断砥石の形状にはフラット形状のディスク型と、中央部が盛り上がったオフセット型があります。
使用箇所や用途にあった形状を選びましょう。
よくある質問として、27号とはなんですか?とあります。27号とは研削砥石で決められている形状記号になります。
良く見る表記としては、1号 平型・6号 ストレートカップ型・27号オフセット型や41号ストレート形状・42号 オフセット形状などがあります。
A砥材・砥粒
砥材とは、砥粒とも呼ばれます。砥石の切る・削る・磨くの機能において重要な役割を持っています。
砥材の種類によって、ワークの対象や用途が変わりますのでしっかりと選んでいきましょう。
簡単に表にまとめたので参考にして下さい。
A | A/WA | AC | AZ | MA | Z | 一般鋼・一般鋳鉄 |
WA | AZ | MA | Z | GZ | SZ | ステンレス鋼・合金鋼 |
C | AC | Z | ダクタイル・チルド鋳鉄などの特殊鋳鉄 | |||
GC | C | アルミ、真鍮などの非鉄金属・石材、ガラスなどの非金属 |
B粒度
粒度は、砥材の大きさのことです。
切断面や研削の仕上精度に大きく関係してきます。
JIS R6001で規定されている数値が小さいほど荒く、大きくなるほど細目になっていきます。
粗目になるほど研削速度は速く砥石消耗度は少なく、細目になるほど切断面はキレイでバリが少ない傾向があります。
大まかに研削研磨する際は、粗目・中目・細目と研削砥石を使い分けて磨いていきます。
C硬度・結合度
砥材を保持する結合剤の度合いを硬度といいます。
アルファベットで表記されAに近いほど柔らかく、Zに近いほど硬くなります。
硬い砥石は強度が高く、軟らかいものほど強度は低くなります。
一般に、硬い加工物には軟らかめの砥石を、軟らかい加工物には硬めの砥石を選定します。
D最高使用周速度
研削砥石が安全に使用できる最高限度の周速度のことです。
砥石は、高速回転させながら、砥粒によって切断・研削していく製品です。
回転速度が速くなればなるほど必ず破損します。
そのため、砥石には「安全に使用出来る限界速度(最高限度の周速度)」が定められています。
気を付けて頂きたい点は、研削盤などに表記されている回転速度と周速度は単位が異なります。
周速度とは、外周部が1秒間に移動する距離【m/s】
回転速度とは、中心軸が1分間に回転する回数【min-1(rpm)】
単位が違う数値で誤って使用してしまうと危険ですのでしっかりと数値を合わせて確認しましょう。
【周速度の換算式】
砥石の外形(mm)×円周率(3.14)×回転速度(min-1)÷60,000=周速度(m/s)
【砥石取り扱いの注意点】
砥石は、高速回転させながら、砥粒によって切断・研削していく製品ですので取扱いに注意が必要です。
砥石の三原則=ころがさない。おとさない。ぶつけない。を守りましょう。
また直射日光を避けて、湿気の無い場所で保管してください。
また、固定ナットが緩んで作業中に砥石が外れる事例があります。十分に使用前に取付確認を行ってください。
安全性に対する意識が高くなり、新商品としてボッシュさんがX-LOCKシリーズを発売しています。
新機構の砥石交換システムで、ワンタッチで確実に取外しが出来るようになっています。
今後は、各メーカーで交換システムが広がっていくと思います。
切断砥石のおすすめ商品
1位 NRS オフセット型切断砥石 デルタカット
面一(ツライチ)切断ができるオフセット型
最初の1カットで違いがわかる、鋭い切れ味です。
金属全般、小径丸棒、パイプ、鋼材、角材、トタンなどの切断に。
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2位 レヂボン スーパーカットRSC
ステンレス鋼に優れた切断力を発揮
特殊配合によりステンレス鋼に優れた切断力を発揮します。
極薄タイプなのに薄さを感じさせない優れた耐久性を発揮します。
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3位 TRUSCO 切断砥石 トクマルカット
しっかりとした食い込みと切れ味
バリが少ない薄型タイプの1mm砥石です。
鉄、ステンレスなど金属全般の薄板・細棒・ALCなどの切断に。
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4位 レヂボン 飛騨の匠
匠の技が生み出した高性能切断砥石
匠の技が生み出した高性能切断砥石です。
両面補強構造による破壊耐性と特殊製法による剛性は安全性に優れ、コスト・切れ味・安全性、三つの安心設計が皆様のニーズに応えます。
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5位 3M キュービトロン2 切断砥石
高いのには訳がある。長寿命かつ切れ味が持続する切断砥石
力を入れなくても切れるため、疲労を軽減し、高齢者や女性でも安心して扱えます。
製品寿命が高加重時(約3kg)でも市場代表製品の3倍以上で耐久性が高く、なおかつ小さい径になっても研磨力がほとんど変わらないので、摩耗しても市場代表製品の新品並みの切れ味を提供します。
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研削砥石のおすすめ商品
1位 NRS 研削砥石 スーパーグリーンΣ(シグマ)36
低振動・低騒音タイプ研削用です
従来のオフセット砥石を使用するすべての研削作業。(一般鋼・ステンレス鋼、軽量鉄骨(C型チャンネル、アングルなど)のビード・バリ取りなど)
一般鋼、ステンレス鋼、軽量鉄骨(C型チャンネル、アングルなど)のビード取り・バリ取りなど。
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2位 3M オフセット砥石 3M(TM)キュービトロン(TM)U
スピード研磨(従来砥石の約1.5〜2倍の早さ)と長寿命(従来砥石の2.5〜6倍)を実現します。
3M独自の精密成型セラミック砥粒を採用したオフセット型の研削砥石です。
今まで砥石約3枚必要な作業が、たった1枚で終えることができます。
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3位 レヂボン オフセット砥石“グリーンエースゴールド GA−6”
オフセットとフレキシブルの特徴が合体した新タイプの研削砥石です。
低振動・低騒音・抜群のフィット感で研削作業を優しくします。
鮮明なグリーン色でステンレス鋼に優れた研削力を発揮します。
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4位 富士 オフセット砥石“スーパーF−U”
経済性、作業性を追求し、素材にマッチした標準品です。
研削用エコノミータイプです。
一般鋼材・鋳物で良く利用されます。
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5位 TRUSCO オフセット砥石“トクマルエース”
汎用研削砥石ですが切れ味と作業性が良いです。
研削用エコノミータイプです。
表面は黒、裏面は茶色のツートンカラーの砥石です。
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まとめ
研削砥石には種類ごとに違った特長があり、選び方に困る人は少なくありません。
しかし、特長が異なるということは、向いている作業内容も異なるということです。
まずは、どのような作業のために研削砥石を選んでいるのか考えてみましょう。
その作業内容をより細かく理解すれば、おのずと向いている研削砥石も分かるでしょう。
研削砥石は最適なものを選べばとても便利な工具なので、しっかり選びましょう。
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この記事を書いた人
ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
様々な種類がありますが個人的にオススメなの3Mの「キュービトロン」シリーズ!
摩耗しても新しい刃が出るので切れ味が継続的にほぼ新品同様という、とてもお手軽な1枚です!価格はやや張りますがそれに見合った便利さと性能です!特集ページもございますのでご参考くださいませ。特集ページはこちら