チェーンソーの選び方は?種類による違いとおすすめの機種も紹介!
木材などを切断する際に活躍する工具が、チェーンソーです。
便利な道具ですが、見慣れていない人にとってはどのチェーンソーも同じに見えるため、選び方が分からないことがあると思います。
チェーンソーにはいくつかの種類があるので、おすすめの機種の選び方も解説します。
INDEX
- 1.チェーンソーとは?
- 2.チェーンソーの種類
- 2-1.エンジン式
- 2-2.充電式
- 2-3.電源式
- 3.チェーンソーの選び方
- 3-1.パワーと有効切断長さで選ぶ
- 3-2.ガイドバーの形状で選ぶ
- 3-2-1.カービングバー
- 3-2-2.スプロケットノーズバー
- 3-2-3.ハードノーズバー
- 3-3.チェーンで選ぶ
- 3-4.ハンドルの形状で選ぶ
- 3-4-1.トップハンドル
- 3-4-2.リアハンドル
- 4.用途別おすすめのチェーンソーのサイズ
- 4-1.DIYやガーデニングは「小型」がおすすめ
- 4-2.様々な用途で使用する場合は「中型」がおすすめ
- 4-3.立木を切断したい場合は「大型」がおすすめ
- 5.チェーンソーのおすすめ10選!
- 6.まとめ
ジグソーの使い方についても以下の記事でも解説しております。
合わせてご覧ください。
ジグソーの機種ごとの使い方や選び方、おすすめ10選までまるっと解説!
ジグソーの機種ごとの使い方や、選び方のポイントについて解説しています。
ページはこちら
チェーンソー
とは?
チェーンソーは、カッターをチェーン状に繋げた刃(ソーチェーン)を高速で回転させて切断する工具です。
画像引用元:チェーンソー - Wikipedia
切断するのは主に木材で、林業・造園業・農業などの分野で用いられます。
仕事でチェーンソーを使う場合は、「特別教育」と呼ばれる学科と実技の講習を受けなければなりません。
特別教育は業種に関わらず仕事で伐木作業を行う人は必修です。
以前は作業する立木の径によって講習の内容が分けられていましたが、2020年8月の安衛則・安全衛生特別教育規定の改正により統合されました。
改正前の特別教育は2020年8月から無効となっており、改正後の内容の講習を修了する必要があります。
コンパクトなタイプはDIYでも使用され、庭木の選定や木材のカットに使われています。
チェーンソーで氷や木を削って、彫刻や飾りを作成するアート作品もあります。
チェーンソーの
種類
チェーンソーには、いくつかの種類があります。
サイズも様々なものがありますが、それよりも大きな違いが動力です。
3種類ある動力の、それぞれの特徴について解説します。
エンジン式
エンジン式のチェーンソーは古くから使用されてきました。
「チェーンソー=エンジン式」というイメージがある人も多いでしょう。
出力は排気量で示され小さいものは20t前後、一般的なエンジン式チェーンソーは30〜35tほどのものが多いです。
100t以上の大型製品もあり大きな径の木を伐倒する際に使用されますが、パワフルな分扱いにくく経験を積んだ人でないと使いこなせないようです。
エンジン式は電源がなくても燃料があれば使用でき、燃料を補給すれば長時間の使用も可能です。
エンジン式のチェーンソーのメリットは何よりもその馬力の強さで、充電式・AC式と比較しても格段にパワーがあります。
ただ、エンジンが搭載されている分、製品のスペックによっては重いと感じることもあるかもしれません。
エンジン式のチェーンソーは混合燃料を使用するため、使い慣れていないと管理が難しいこともあるでしょう。
電動式のものより音や振動も大きく、排気ガスが出るので使用環境に応じた対策が必要です。
チェーンソーでは仕組み上2サイクルエンジンのみ採用されていますが、現在主流になりつつある4サイクルエンジンよりも排気ガスによる環境負荷が大きい点も今後の課題と言えます。
充電式
充電(バッテリー)式のチェーンソーは近年人気があります。
エンジン式と同じく電源コードがないので取り回しがしやすいのですが、エンジン式よりも音や振動は小さいので、住宅街などでも使いやすいです。
排気ガスが出ないというのもエンジン式にはないメリットと言えるでしょう。
環境負荷が比較的控えめで、屋内などでも使用しやすいという特徴があります。
一方、バッテリー分の重さがプラスされるという点には注意が必要です。
バッテリーは出力や容量が大きくなるほど重くなるので、使用時の重量が気になるという方もいるようです。
パワーはエンジンタイプと比べるとやや低めです。36Vの最強クラスのバッテリーを搭載した機種でもエンジン式のチェーンソーよりはパワーが劣ります。
充電が切れた時や、充電できない環境で使用する場合は替えのバッテリーが必要となりますが、プロ使用のものだとバッテリーも高額なものが多いです。
電源式
電源式(AC)は、コンセントに接続して使用する有線タイプです。
エンジン式やバッテリー式とは違って、燃料や充電も不要で安価という特徴があります。
同じクラスの充電式やエンジン式と比較すると、エンジン、バッテリーを搭載していないため軽いのも特徴です。
エンジンの騒音や排気ガスなどもないので、住宅街や換気のしにくい室内でも使いやすいでしょう。
しかし、電動式なのでエンジン式よりもパワーでは劣る傾向があります。
電源コードがある分取り回しづらく、電源がないところでは使用できません。
電源コードが絡まったり切断してしまったりする可能性もあるので、気を付けて使用しなければいけません。
チェーンソーの
選び方
チェーンソーの選び方で、おすすめの方法は何でしょうか?
チェーンソーは、注目する点で選ぶべき種類が分かります。
注目する点について、解説します。
パワーと有効切断長さで選ぶ
チェーンソーを選ぶ際に注目される点として、まずパワー(馬力)があります。
チェーンソーのパワーは、動力源の種類によってチェックするポイントが異なります。
エンジン式の場合は、排気量=パワーです。
ソーチェーンを巻きつけるガイドバーのサイズも排気量でおおよそ決まっているため、切断する木材や立木のサイズに適した排気量を選びましょう。
充電式の場合は、バッテリーの電圧(V)によってパワーが決まります。
4.4V・18V・36Vなどが一般的に良く使われる規格で、ガイドバーのサイズも出力が高くなるほど大きくなります。切断する材料の径やサイズに合ったパワーのものを選びましょう。
遊行切断長さとは一般的にガイドバーの長さのことを指します。
丸太や立木などの材木をカットする場合は、直径がガイドバーよりも小さいものを選ぶ必要があります。
画像引用元:チェーンソーおすすめ13選|DIY・庭木・林業向けの商品や、その見分け方も紹介 | マイナビおすすめナビ
ガイドバーよりも材木の径が大きいとチェーンソーに負荷がかかりすぎるため、動作不良や故障の原因になるので必ず作業前に確認しましょう。
ガイドバーの形状で選ぶ
ガイドバーとはソーチェーンと組み合わせて使用する金属製のプレートのことです。
ガイドバーにある溝にソーチェーンのドライブリンクを差し込んで使用します。
チェーンソーのガイドバーはいくつかの形状があるので、それぞれの特徴を見てみましょう。
カービングバー
画像引用元:Carving guide bar 1/4" - Special carving guidebar, especially low kickback
ガイドバーの先端が細くなっている形状です。
回転しにくい形状にすることで回転速度が速くなりすぎないようになっており、キックバック(木材の抵抗やひっかかりなどで工具が跳ね返ってくる現象)しにくく比較的安全性の高いタイプです。
ただ、回転速度が遅いため切断作業に時間が必要になります。
大きな径の材木ではなく、枝や細い材木のカットなどに適しています。
スプロケットノーズバー
画像引用元:Rollomatic E 3/8" (11 teeth) -
スプロケットノーズバーは、先端に歯車が内蔵されているガイドバーです。
歯車の働きによってソーチェーンがより高速で回転するため、スピーディに材木を切断できます。
貼り合わせて加工するため耐久性が他のガイドバーよりも低く、曲がりやすいので硬い木材の切断をする際は安全性に注意して作業しましょう。
歯車が入った先端部分を交換できるリプレイサブルタイプもあります。
ハードノーズバー
画像引用元:Duromatic E, 1,6 mm - Robust solid bar
先端が緩やかな曲線のガイドバーです。
合金等の一枚板を加工して生産するため耐久性が高く、ガイドバー先端に負荷がかかりやすい突っ込み切りなどの作業にも適しています。
プロ使用のチェンソーでよく使われるタイプのガイドバーがこちらです。
DIYなどの個人的な用途では、重さや価格の高さがネックとなるかもしれません。
チェーンで選ぶ
ほとんどの国内メーカーで、アメリカのオレゴン社の製品が純正品として使用されています。
オレゴン社はソーチェーン用ガードリンクの特許を取得しており、切れ味と安全性にこだわっていることから世界各国で使用されています。
ソーチェーンの仕様には様々な種類がありますが、
● カッターの形状(チッパー・セミチゼル・マイクロチゼル・シャンファーチゼル・チゼル)
● 規格(ピッチ・ドライブリンクの厚み・1周分のドライブリンクの数)
● カッターの並び方(標準・フルカッター・セミスキップ・スキップ)
などの要素から機種や用途に合ったものを選びます。
ハンドルの形状で選ぶ
チェーンソーのハンドルは、トップハンドルかリアハンドルの2種類に分けられます。
トップハンドル
ゼノア エンジンチェンソー(トップハンドル)GZ3500TEZ
トップハンドルは、本体の上部にハンドルが付いているタイプです。
持ち運びしやすく、枝の選定や細い径の材木の切断などの細かい作業にも適しています。
小型モデルや軽量タイプのチェーンソーに多いハンドルの形状です。
リアハンドル
ゼノア エンジンチェンソー(リアハンドル) 14インチ GZ330EZ-25P14
リアハンドルは、本体の後ろにハンドルが付いているタイプです。
安定して持つことができ、力も入れやすいので枝打ちから立木の伐倒まで様々な作業に適しています。
プロ仕様のパワフルなモデルのチェーンソーは、内部のエンジンレイアウトの関係上リアハンドルを採用していることが多いです。
用途別おすすめのチェーンソーのサイズ
チェーンソーは片手で使えるコンパクトタイプから、大きな木も切断できる大型モデルまで様々なサイズがあります。
サイズはガイドバーの長さによって分けられます。
必ずしも大きくてパワフルなものが優れているというわけではなく、用途や使いやすさなどに合ったサイズのチェーンソーを選ぶことが大切です。
こちらでは用途別におすすめのチェーンソーのサイズを3種類ご紹介します。
DIYやガーデニングは「小型」がおすすめ
一般的に小型のチェーンソーはガイドバーが250mm以下の製品を指します。
チェーンソーの中では軽量で小回りも効くので、庭木や観葉植物の選定、DIYに使う木材のカットなどにおすすめです。
様々な用途で使用する場合は「中型」がおすすめ
ガイドバーが250〜400mm程度のチェーンソーは中型に分類されることが多く、枝打ち作業の他にも細い立木や竹の伐倒などより多くの作業にも使えます。
立木を切断したい場合は「大型」がおすすめ
ガイドバー400mm以上のチェーンソーは大型で、大きな径の材木切断や立木の伐倒などハードな作業を行う場合におすすめです。
ただ、大型のチェーンソーはパワーも大きいので慣れていないと使いにくいこともあるでしょう。
不慣れな状態で使用すると思わぬトラブルに繋がることもあるので、丸太などで練習して慣れておく必要があります。
チェーンソーの
おすすめ10選!
チェーンソーは、どのような選び方をすればいいのでしょうか?
チェーンソーの種類には、エンジン式と電動式があるので、それぞれのおすすめを紹介します。
エンジン式では、まずマキタの「エンジンチェーンソー MEA3201M」がおすすめです。
マキタは、電動工具のシェアが国内トップのメーカーですが、エンジン式のチェーンソーも扱っているのです。
この機種は、樹木の剪定や薪作り等に向いているもので、ガイドバーの長さは350mmで重量は4.2kです。
スイッチをOFFにしても、自動的にONポジションに復帰して再始動時にスパークプラグが被るのを防止する機能が搭載されています。
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同じくマキタでも、さらに小型の「エンジンチェーンソー ME230T」もおすすめです。
ガイドバーの長さは250mmで、重量は2.5kgのコンパクトサイズになっていて、重心バランスが優れているので疲労を感じにくく、作業をより効率的に進められます。
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マキタからは、大型のチェーンソーも発売されています。
「エンジンチェーンソー MEA5000GR」という機種で、ガイドバーの長さは450mm、排気量は50tです。
サイズの割に、重量は5.6kgとそれほど重くありません。
インテリジェントイグニッションを採用しているので、従来の機種よりも最大出力や回転安定性、再始動性が向上しています。
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これまでエンジンチェーンソーをお勧めしてきましたが、マキタなので当然電動式のものもあります。
「充電式チェーンソー MUC353DPG2」という機種で、充電式でありながら高トルクなのでおすすめです。
高トルクの理由は、アウタロータ式ブラシレスモーターを搭載しているからです。
さらに、チェーンスピードが最大分速1200mとかなり早く、エンジン式チェーンソーに負けない高回転、高速切断を実現しています。
パワフルでありながら、低騒音、低振動なのも利点です。
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電動工具ではマキタに次ぐシェアを持つHiKOKIも、チェーンソーがあります。
「HiKOKI 電気チェーンソー ガイドバー長さ300mm CS30SB」は、電動式ですが1430Wのハイパワーを持ち、大工仕事から農業、園芸関係、彫刻まで幅広く使用できるのでおすすめです。
電源コードは5mと長いので、電源式でもかなり自由に動くことが出来ます。
ソーチェーンのスピードは、最大で秒速13.5m、分速では810mです。
ソーチェーンの交換や調整はツールレスで、簡単に行えます。
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もう一つ、HiKOKIのチェーンソーでおすすめなのが、「電気チェーンソー ガイドバー長さ300mm FCS30SA」という機種です。
こちらの機種は小形軽量、低騒音、低振動が特徴の機種です。
モーターは、高付加に耐えられるようワンランク上のパワフルなものを使用しています。
ソーチェーンのスピードは、最大で秒速6.4mです。
薪割りや枝打ちなどの作業に向いています。
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エンジン式チェーンソーでは、ゼノアというメーカーも有名です。
正式にはハスクバーナ・ゼノアといい、スウェーデンに本社がある農林・造園機器などのメーカーであるハスクバーナ傘下の大手機器メーカーです。
ゼノアのチェーンソーでは、まず「エンジンチェーンソー(トップハンドル) GZ3500TEZ-91P14」を紹介します。
このチェーンソーは、スターターロープを軽い力で弾けるようになっていて、始動が簡単なのでおすすめです。
ガイドバーは350mmで、排気量は35.2tです。
重量は3.4kgと、同サイズの中では比較的軽量です。
環境に優しい、低燃費タイプの機種です。
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同じくゼノアでは、「エンジンチェーンソー(リアハンドル) 14インチ GZ330EZ-25P14」もおすすめです。
先程紹介した機種とはハンドルの位置が違い、リアハンドルになっています。
安定して持つことが出来るので、初めてチェーンソーを使う方にもおすすめです。
枝打ちや玉切り、樹木の伐倒や伐採、薪作りなど多くの用途で使用できます。
ガイドバーの長さは同じく350mmですが、排気量は33.4tです。
お手軽な機種で、環境に優しい低燃費タイプです。
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最後に紹介するのは、リョービのチェーンソーです。
リョービはダイカストトップメーカーとして有名で、現在は京セラインダストリアルツールズに工具関係の事業を譲渡していますが、リョービという名前はそのまま使われています。
リョービのチェーンソーでは、まず「電気チェーンソー 360mm CS-3605」をおすすめします。
この機種のガイドバーは360mmで、リアハンドルなので安定して使用できます。
オイルリターン機構を採用しているので、使用時間は従来機のおよそ1.5倍に伸びています。
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また、チェーンソーとは少し違うのですが、リョービの「電気のこぎり 100V ASK-1000」もおすすめです。
これはのこぎり刃のブレードをつけていて、前後に動くことで切断していきます。
ストローク数は、分速0回から最大4500回まで調節できます。
庭木の細い枝の剪定や薄い金属のカット、段ボールの切断などに使用できます。
本体は477mmと、非常にコンパクトです。
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まとめ
チェーンソーには様々な種類があるので、基準によって選び方が変わり、おすすめの機種も異なります。
自分がチェーンソーで何をしたいのかをよく考えて、それに合ったおすすめの機種を探してみましょう。
まずは、動力の違いとサイズの違いで、どれがいいのかを考えてみましょう。
現場市場マガジンでは、本記事のような皆様が商品選びに困った際のポイントや注意点など現場で働く方には欠かせないコンテンツをご提供しております。
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この記事を書いた人
たかみち
現場市場のページデザインを担当。趣味のキャンプ用にブロワーを買ったところ、使い勝手の良さに感動。完全に工具沼に(笑)最近テーブルのDIY用に丸ノコを購入しました。実際に使ったからこそ、本当におすすめできるアイテムを紹介していきます。
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たかみちのコメント
どれも見た目が似ているように感じますがパワーを筆頭に性能差があります。最近注目の電気式等色んな種類があるので、上記の選定方法を参考に目的に合わせたチェーンソーをお選びください!