刷毛の種類と用途にあった選び方！塗装におすすめなトップ10

刷毛に使われる動物の毛は、主に馬・豚・山羊・イノシシなどがあります。

【豚】
豚毛は一本一本が太いため、硬くコシが強いのが特長。
毛先を見ると、2〜3筋に分かれる構造をしているので毛質の割に当たりがソフト。

【馬】
馬の毛は、部位ごとに毛質が異なります。
・天尾（あまお）
しっぽの新毛のこと。馬毛としてだけではなく、塗装用刷毛全体から見ても最高級。

・振り毛
タテガミの部分の毛で、コシが強く液体の含みが良い。
天尾とブレンドして刷毛を作る時も。

・胴毛
動体の部分の毛で、柔らかく糊付けやサラサラした塗料を使う時に向いています。

・足毛
足や蹄の周囲の毛。毛質は良質とはいえないものの、コシがありしっかりしているので筋違い刷毛などに使われる。

【山羊】
主に顎の毛を使用する。やわらかな毛でラッカー塗料や水性塗料など粘度の低いものに向いている。

このように動物の種類や部位、個体の年齢によって毛の特性は異なりますが、一般的には動物毛はコシと弾力が高いものが多く、価格も高い傾向にあります。

人工繊維を使った刷毛も、どんどん増えてきています。
刷毛として使われることが多いのは、主に以下でご紹介している種類です。

【ナイロン】
柔らかいので水性塗料に適している。毛先を細くして塗り心地が自然になるタイネックス繊維がよく用いられる。

【PBT】
ポリプチレンテレフタレート樹脂。
耐水性・耐薬品性が高く、主に水性塗料を使用する際に用いられる。

【ポリプロピレン】
他の人工繊維と比べても強くコシがあり、耐久性も高い。
毛部分だけでなく、柄の素材としても使われる。

【カネゴート】
耐水性が高く軽いのが特長。他の繊維とブレンドして使われることも多い。

人工繊維は動物繊維に劣ると考えられることが多いですが、技術の進歩により高品質な人工繊維の刷毛も増えてきました。
耐久性やメンテナンスのしやすさなどの理由から、人工繊維の刷毛を使用する人も多いです。

刷毛は種類ごとにそれぞれの用途がありますが、基本的な使い方は共通しています。 塗装作業での刷毛の使い方を分かりやすく動画でまとめました。これから刷毛を使う方は基本を押さえて実践に臨みましょう。

こちらで解説しているように、塗り始め・塗るときの刷毛の持ち方・均一に仕上げるためのポイントを意識するだけでも格段にきれいに仕上がります。 刷毛を長持ちさせて次の作業もスムーズに行えるように、作業後のお手入れもお忘れなく。

まず押さえておきたいのが刷毛のサイズです。
刷毛のサイズは号数で表記されることが多いのですが、号数は刷毛部分の横幅を表しています。

画像引用元： 刷毛のサイズ：はけつくりどっとこむ【マルテー刷毛ローラー製造株式会社】

日本家屋には関東と関西で建築による違いがあったように、刷毛の号数も関東と関西で異なります。
現在では地域ごとの建築の差がなくなりつつあるので、一般的には関東表記のサイズが基準となっています。

水性塗料を使う時は、人工繊維の刷毛がよく用いられます。

その理由としては、
　● 動物繊維は水性塗料のアルカリ性に反応して固まることがある
　● サラサラとした塗料には柔らかい繊維がなじみやすい
などが挙げられます。

人工繊維は柔らかいものが多いので、水性塗料の含みが良いようです。

油性塗料、ラッカー/油性ペンキ/ニスなど溶剤を使用した塗料には、馬などの動物繊維がよく使われています。
人工繊維の刷毛も、耐薬品が強いものは油性塗料向けとして販売されています。

ただ、油性塗料に刷毛を使用する場合は、毛の種類だけではなく製品パッケージも見て判断してください。
油性塗料用、または万能刷毛は接着剤も耐薬品性が高いものが使われているので、それ以外の刷毛だと使用中に接着剤が剥がれて刷毛として機能しない可能性もあります。

水性・油性のどちらの塗料も使う方におすすめなのが、万能刷毛です。

水性塗料から溶剤を使った油性塗料にも対応しているため、様々な塗装作業でオールマイティに使用できます。
DIYのために買う最初の1本としても使いやすいかもしれません。

TRUSCO プロ鉄骨・橋梁用白平刷毛

平刷毛は、幅が広く平らな形をした刷毛のこと。
広い面や平面の塗装によく用いられており、ベタ刷毛とも呼ばれています。

参考画像は大きめのものですが、もっとコンパクトなサイズの平刷毛も多いです。

画像引用元： 【Benjamin Moore社製】カットインブラシ | ペイントツール | ベンジャミンムーア静岡公式オンラインショップ

刷毛の先が斜めにカットされたタイプで、角部分の塗り分けなどに使われます。
日本ではあまり目にすることはありませんが、主にアメリカで使用されているようです。

KOWA マル短 目地刷毛 5号 14271

目地刷毛は目地やタイルの間など、細かな作業に使用するための刷毛です。
小さな傷や塗膜の割れなどを補修するタッチアップにも向いています。

TRUSCO 導電性ダスター刷毛 筋交い 全長220mm 50mm幅 TDPB-56

筋交い刷毛は、柄の部分が斜めになった刷毛です。
えんぴつを握るように持ち、繊細な作業や高い位置の塗装にも向いています。

参考画像はダスター用刷毛ですが、塗装に使用する際は塗料に合ったものをお選びください。

刷毛の形状はその他にも数多存在します。
たとえば玉厚（毛の厚み）が分厚く楕円形の断面をした寸胴刷毛など。
建築方法、建築様式の変化などにより、使われなくなったものも多くあります。

この他、世界各国でその土地土地の文化に根付いたものなども含めれば数えられないほど多くの刷毛が存在しているのです。