コンプレッサーの正しい使い方とメンテナンス方法について
コンプレッサーはタンクにため込んで圧縮した空気の力を利用する機械です。
DIYから本格的な作業現場、農業の場などでも広く使われています。
コンプレッサーは、正しい使い方と注意点を抑えないと電源が焼き付いたり、故障などのトラブルに繋がることもあります。
今回は、
● コンプレッサーの正しい使い方
● メンテナンス方法や使用後の注意点
● コンプレッサー選びのポイント
について丁寧に解説いたします。
コンプレッサーとは?仕組みや用途
コンプレッサーは日本語では「圧縮機」と呼ばれるように、気体・液体に圧力をかけて送るための機械です。
コンプレッサーの定義や概要については、Wikipediaで以下のように記載されております。
圧縮機(あっしゅくき)とは羽根車若しくはロータの回転運動又はピストンの往復運動によって気体や液体などの流体を圧送する機械のことである。コンプレッサーともいう。
有効吐出し圧力が200 kPa以下の圧縮機をブロワという。尚、改正前のJIS定義では圧力比によって送風機・圧縮機を分類していたが、ISOなどの国際規格との整合性を保つため2005年(平成17年)に改正された。これにより送風機扱いであったブロワが圧縮機となり、送風機とファンが同義となった。
圧縮機は流体機械に分類され、機械エネルギーを流体の持つエネルギーに変換する機械である。したがって気体にエネルギーを与え低圧から高圧へ送り出す送風機、圧縮機、排風機、真空ポンプは本質的に同じ機械である。それぞれ用途に応じた呼び方であり、圧送か排出か、低圧力比か高圧力比かの違いである。
引用元: 圧縮機 - Wikipedia
上記の通り、コンプレッサーは流体に圧力をかける機械全般を指しますが、工事や作業現場で一般的に使われるのは空気を圧送するエアーコンプレッサーです。
コンプレッサーの構造解説
コンプレッサーは、下図のような構造で作られています。
画像引用元: エアーコンプレッサーの使い方|howto情報
それぞれのパーツの役割を表にまとめました。
取手(ハンドル) | 持ち運びや収納時に取っ手を持って移動する |
---|---|
制御部 | 連続使用する場合に圧縮運転が途切れないようにするため/出力を調整するための機能 |
圧力調整器 | 空気にかける圧力を調整するために使う |
圧力計 | 圧力の数値が目視できるパーツ(単位はMPa) |
吹き出し口 | 圧縮した空気を送り出す口。ツールを付けて使用する |
圧縮機(モーター) | 空気を圧縮するためのモーター。 コンプレッサーの大きさやスペック、消費電力等のバランスが大事 |
吸込フィルタ | 空気の吸い込み口。フィルタで異物混入を防ぐ |
圧力タンク | 吸い込んだ空気を圧力をかけて貯める場所 |
移動用車輪 | 本体を簡単に移動するためのパーツ |
メーカーや製品によって部位の呼び方などが異なりますが、構造はほぼ違いはありません。
コンプレッサーはビス打ち・塗装・清掃・整備・農業などに使われる
コンプレッサーは空気を圧縮する機械なので、単体で使うことはありません。
吹き出し口に任意のパーツを付けて使用します。
主な使い道にはどんなものがあるか見てみましょう。
● ビス打ち(使用ツール:ネイラー)
● タイヤのボルト付け外し(使用ツール:インパクトレンチ)
● 塗装(使用ツール:スプレーガン)
● 空気入れ(使用ツール:タイヤチャック)
● 清掃(使用ツール:エアガン)
このようにツールを付け替えるだけで様々な用途に対応できるので、DIYから工事現場、農業まで広い分野で活躍しています。
コンプレッサーの基本的な使い方
コンプレッサーの運転の仕方を、順番ごとに解説していきます。
1.電源を入れる
まずはコンプレッサー本体の電源を入れます。
この時注意すべきなのが、コンプレッサーと電源までの距離です。
延長コードを使うと電圧が下がるため、コンプレッサー本来のパワーが出ずに作業に支障が出る恐れがあります。
さらに、適切な電圧が送られてこないために、大きな電流が流れることでモーターが焼き付いて使いものにならなくなるケースも。
スペック通りの力を出して長く使い続けるためにも、延長コードの使用は厳禁です。
どうしても電源から離れてしまう場合は、吹き出し口にエアホースを付けましょう。
エアホースの先端、メスのカプラにツールを付ければ十分なパワーを保ったままコンプレッサーが使用できます。
ツールやホースを付けるのは、電源を付ける前に行ってください。
コンプレッサーが起動してしまうと吹き出し口から空気の圧送が始まってしまうので、ツール等がつけにくい上に非常に危険です。
電源を入れると空運転が始まりますので、十分に空気が溜まるまで待ちましょう。
2.空気圧力をかける
タンクに空気が溜まってきたら、圧力計を確認しながらタンクが満タンになるまで待機します。
タンクに空気が満タンにならない内に使用しはじめてしまうと、十分な出力がえられません。
タンクが満タンになると自動で圧縮が止まりますので、ここからツールが使用できます。
タンク内の空気が少なくなると、再度モーターが動いて空気の圧縮をします。
早朝・深夜など起動音が気になる時間に作業する場合は、音を抑える静音モードに切り替えましょう。
製品によっては高性能なサイレンサーがついたコンプレッサーもあります。
3.使用後は水分を抜く
コンプレッサーを使用するとタンクに水が溜まります。
この水分を「ドレン」と呼ぶのですが、空気には元々水蒸気が含まれています。
気温が高い夏は湿気が高く、冬は乾燥していますよね。
これは気温1度あたりに含まれる飽和水蒸気量(気体として存在できる水の量)が決まっているためです。
画像引用元: エアコンプレッサーとは | マックスエアコンプレッサー | マックス株式会社
空気を圧縮するコンプレッサーは大量の空気を取り込むため、圧縮して飽和すると空気中の水蒸気は水に戻りドレンとなるのです。
ドレンを放置すると、タンクが水分によって腐食したり、ツールやホース部分に付着して作業に支障が出る恐れがあります。
また、そのまま流すと水質汚染のリスクがあるため、
1. ドレン処理用の薬剤を使用して処理
2. ドレン用のフィルターでオイルを除去して処理
3. 専用業者に廃棄処分を依頼する
などの方法で廃棄してください。
コンプレッサーが長持ちするメンテナンスの方法
これまで解説した通り、コンプレッサーは電流やドレンなどで操作性や機体寿命が左右されます。
長く快適に利用するためには、以下のポイントに気を付けて定期的なメンテナンスを行いましょう。
・定期的な点検
→起動時間6,000時間ごと、または1年ごとの定期点検が必要です。
起動時間が少なくても毎年点検することをおすすめします。
・半年に1回のオイル交換
→潤滑・冷却のためにオイルを使用する製品が多いので、使用頻度に応じてオイル交換を行いましょう。
オイルは必ずコンプレッサー専用の製品を選んでください。
オイルフリータイプのコンプレッサーであればオイル交換・補充は不要です。
コンプレッサー選びのポイント
コンプレッサーを選ぶ際、以下のポイントに重点を当てると製品選定に役立ちます。
どの用途でコンプレッサーを使用するか
まずは、コンプレッサーをどの用途で何台使用するのかをはっきりさせましょう。
圧力と消費空気量が足りないと、コンプレッサーがきちんと作動せず作業が滞る恐れがあります。
作業効率が下がると生産に関わるので、必ず最初にどれくらいの馬力が必要なのかを確認してください。
同時に使用する工具の台数はどれくらいか
コンプレッサーを同時に何台使うかも重要です。
特に工場などでコンプレッサーを使う場合は、将来的な台数追加も視野にいれ余裕を持たせて決めましょう。
どのくらいの動力が必要なのかは、以下のように算出します。
画像引用元: コンプレッサー必要動力計算 | エアーツールの空研
オイル入りかオイルレスタイプか
先ほども触れましたが、コンプレッサーにはオイルを使うものとオイルレスのものがあります。
噴出されるオイルは微量ではあるものの、食品工場や農業、化粧品など衛生面が気になる分野ではオイルレスのコンプレッサーが使われます。
それ以外にも、半導体や精密機械などを扱う現場でもオイルレスのコンプレッサーがおすすめです。
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まとめ
コンプレッサーは整備工場などで使われるイメージが強いかもしれませんが、様々な生産・製造の現場で使用されています。
DIYの流行で個人でも本格的な機械を持つことが一般的となった昨今、作業効率の良いマシンへのニーズも高まりつつあります。
この記事でご紹介した基本の使い方や注意点を押さえて、用途にあったコンプレッサーを選んで使いこなしましょう!
現場市場で取り扱っているコンプレッサーで気になる製品がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
現場市場マガジンでは、本記事のような皆様が商品選びに困った際のポイントや注意点など現場で働く方には欠かせないコンテンツをご提供しております。
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この記事を書いた人
たかみち
現場市場のページデザインを担当。趣味のキャンプ用にブロワーを買ったところ、使い勝手の良さに感動。完全に工具沼に(笑)最近テーブルのDIY用に丸ノコを購入しました。実際に使ったからこそ、本当におすすめできるアイテムを紹介していきます。
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たかみちのコメント
ツールの心臓部でもあるので慎重に選定したいですね。自分はいまだにエアーツールの音に慣れずにたまにびっくりします。