防炎シートとは?特徴・規格・防火シート等との違いについて
防炎シートは、建築などの工事現場の囲いや目隠しのために使われる大きなシートです。
直射日光が当たる場所での日よけやホコリ除け、普通の養生シートと比べて燃え広がりにくい加工がされているので、作業現場などの場所で用いられます。
防炎シートには、「防炎物品」として消防法で定められた防炎性能がることを示す防炎ラベルがついています。
また国産シートは、耐久性・引張強度によって、JIS規格にて1類(単体で落下物を受け止められる)・2類(金網などとの併用が義務付けられる)に分けられます。
今回は、防炎シートの基本的な特徴・規格・種類について詳しくご説明します。
INDEX
- 1.防炎シートとは?燃え広がりにくい加工をしたシート
- 1-1.繊維に防炎加工する方法
- 1-2.織物(シート)にしてから防炎処理を施す方法
- 2.防炎シートの規格について
- 2-1.1類
- 2-2.2類
- 3.防炎シートの材質やカラーには種類がある
- 3-1.塩ビコーティング
- 3-2.メッシュ防炎シート
- 3-3.PE防炎シート
- 4.防炎シートと防火/不燃/難燃シートとのちがい
- 5.防炎シートの現場市場おすすめ10製品
- 5-1.リーズナブルで使いやすいOSK 防炎シート
- 5-2.従来品よりも大幅に軽量化したOSK 防炎シート原反 ロールタイプ
- 5-3.透明度と遮光性を両立したOSK ウルトラクリア 防炎メッシュシート(透明)
- 5-4.5色展開で様々な用途に対応可能 モリリン 国産防炎メッシュシートⅡ類(MRM-302)
- 5-5.テントや養生に使いやすいハトメ付きモリリン 国産白防炎シートⅡ類(MRS-002)
- 5-6.軽量タイプで使いやすい萩原 ターピー スーパーライト防炎クロスSPL1850
- 5-7.間仕切り用にも使える萩原 透光防炎シート 半透明 TOBSR
- 5-8.チェーン入りでめくれにくいTRUSCO 防炎糸入りクリアシート
- 5-9.高耐久性の基布を使ったTRUSCO カラーターポリンシート
- 5-10.火に強いガラス基布を使ったTRUSCO 不燃認定両面塩ビコーティングシート
- 6.まとめ
防炎シートとは?燃え広がりにくい加工をしたシート
防炎シートとは、燃えにくい、または火がついても燃え広がりにくい加工が施されたシートのことを指します。
【普通のブルーシートと防炎シートの燃焼性の違いを動画で検証しました。】
防炎シートを含む防炎品は、消防法に基づく「防炎物品」と、防炎製品認定委員会によって防炎性能が認められた「防炎製品」があります。
消防法の中で定められた防炎規制により、高層建築物・地下街及び不特定多数の人が出入りする特定防火対象物では防炎性能を持つ防炎物品の使用が義務づけられています。
消防法施行令別表第1で特定防火対象物と定義されているのは、
● 劇場/映画館/演芸場など
● 公会堂/集会場
● キャバレー/カフェー/ナイトクラブなど
● 遊技場/ダンスホール
● 飲食店
などがあります。
防炎シートは防炎性能だけでなく落下物の飛散を防ぐ目的で作業現場の目隠しや養生、野積みのカバー、テントの屋根部分などに使用されることが多く、
● 建設現場
● 工事現場
● 塗装作業
● 水産業
● 農業
● イベント会場
など、広い分野で用いられています。
養生シートやブルーシートなどと用途は似ていますが、これら2つは防炎加工されているわけではありません。
防炎シートに使われる化学繊維は石油を原料としているため本来とても燃えやすいのですが、防炎薬剤を使用することで火に強く燃えにくいシートを作ることができます。
製法としては、繊維に防炎加工する方法と織物(シート)にしてから防炎処理を施す方法の2パターンがあります。
繊維に防炎加工する方法
燃えにくくさせる加工にはいくつか種類がありますが、「防炎」の加工をする場合は合成樹脂に防炎薬剤を分散させて練り込んで合成繊維を作る方法がよく用いられます。
一方「難燃」加工をする場合は、合成樹脂(ポリマー)を作る過程で防炎化します。
防炎と難燃の違いについては、コラム後半で詳しくご説明しています。
織物(シート)にしてから防炎処理を施す方法
繊維を織ってシートにしてから防炎加工する場合は、以下の3つの方法のいずれかで処理されます。
● 防火薬剤の水溶液にシートを浸けてから乾燥させる
● 防火薬剤の水溶液にシートを浸けて、科学繊維と薬剤を科学的に反応させる
● 防火薬剤を分散した合成樹脂をシートの表面にコーティングする
製品にもよりますが、レーヨンやポリエステルの繊維を織った時にこれらの加工法が用いられることが多いです。
防炎シートの規格について
防炎シートは引張強度のレベルによって、JIS規格の1類と2類に分類されます。
主に足場や高所作業での使用における基準となります。
それぞれの規格の定義について見ていきましょう。
1類
防炎シートの1類は以下の条件を満たし、シート単体で落下物を受け止める強度を持つ製品のことを指します。
項目 | 1類 |
---|---|
引張強度(引張強さ×伸び) | 49.0(kN・mm)以上 |
引張強度 N2(縦・横それぞれの方向の引張強さ) | 対応する方向の引張強度の5%かつ49.0(kN・mm)以上 |
接続部の引張強度 | 引張強度の70%以上の数値 |
防炎性 ※ |
JIS L 1091 A-1法(45°ミクロバーナ法) 区分3および区分2 |
対貫通性 | 貫通、またはシートが著しく損傷しない |
はとめ強さ | 2.45N以上 |
※・・・JIS L 1091 「繊維製品の燃焼性試験方法」はJFRA 日本防炎協会テント類、シート類、〜の項目を参照
2類
2類はシート単体では落下物を受け止めるために十分な強度を持たず、金網などとの併用が必要です。
項目 | 2類 |
---|---|
引張強度 | 490N以上 |
引張強度 N2(縦・横それぞれの方向の引張強さ) | 対応する方向の引張強度5%以上 |
はとめ強さ | はとめ間隔1.47L以上 |
防炎シートの材質やカラーには種類がある
防炎シートの材質やカラーには、色々な種類があります。
こちらでは一般的によく使われる3種類をピックアップして、それぞれの特徴についてご紹介していきます。
塩ビコーティング
防炎薬剤を分散した塩化ビニールで、ポリエステルやポリプロピレンで作られたシートをコーティングしたものです。
塩ビコーティングは最も一般的な防炎シートのコーティング方法で、手に入れやすいのが特徴です。
カラーはブルーやホワイトなど様々なバリエーションがあり、気密性、防水性に優れているため、塗装や粉塵が飛散するリスクも抑えられます。
メッシュ防炎シート
防炎性能を持ったメッシュシートには、小さな穴が空いています。
光を通すので視認性が高く作業しやすいのが特徴で、建設現場の全体を覆う目隠しとしてもよく用いられます。
また風を通す通風性があるので風の力をある程度受け流すことができます。影響を受けやすい高所の足場などでも、作業がしやすくなります。
PE防炎シート
ポリエチレン(PE)はプラスチックの中でも軽く、比較的丈夫なので軽量の防炎シートに用いられます。
また、塩素が含まれないので燃焼してもダイオキシンは発生しません。
使いやすく環境に優しい防炎シートを使いたい時におすすめです。
防炎シートと防火/不燃/難燃シートとのちがい
防炎によく似た名称として、
● 防火
● 不燃
● 難燃
などがあります。
不燃とは、「燃えにくい」ではなく「一定時間燃え抜けない」性質をもった状態を指します。
裏面に燃えにくい加工がされており、表面が燃えても裏面まで炎がいかないシートを不燃シートと呼びます。
建築基準法に基づき、国土交通省が定めた試験をパスして認定を受ける必要があります。
難燃は、繊維の原料である合成樹脂や高分子自体を燃えにくい性質にする加工方法のことです。
ハロゲン系化合物、リン系化合物などを入れると、化学反応により燃えにくい・燃え広がりにくい性質になります。
また、分子同士を強く結びつけて熱分解しにくい状態にする方法もあります。
防火シートは、これらをまとめて「燃えにくいシート」という意味で用いられるフレーズです。
加工方法や性能に条件があるわけではありません。
防炎シートの現場市場おすすめ10製品
防炎加工を施した屋外用シートの中で、現場市場がおすすめする10製品についてご紹介します。
リーズナブルで使いやすいOSK 防炎シート
商品名 | OSK 防炎シート |
---|---|
メーカー | 現場市場オリジナル |
価格 | <%price_OG-OSK-bouensheet%> |
当日出荷 | 〇(静岡から出荷) |
材質 | ポリエステル糸に塩ビコーティング |
仕様 |
消防庁 F-40-1101 登録品 アルミハトメ付き カラー:ホワイト |
バリエーション | あり(1.8×1.8m〜) |
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従来品よりも大幅に軽量化したOSK 防炎シート原反 ロールタイプ
商品名 | OSK 防炎シート原反 ロールタイプ |
---|---|
メーカー | 現場市場オリジナル |
価格 | <%price_OG-OSK-bouensheetroll%> |
当日出荷 | 〇(静岡から出荷) |
材質 | ポリエステル糸に塩ビコーティング |
仕様 |
消防庁 F-40-1101 登録品 ハトメなし原反 カラー:ホワイト |
バリエーション | あり |
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透明度と遮光性を両立したOSK ウルトラクリア 防炎メッシュシート(透明)
商品名 | OSK ウルトラクリア 防炎メッシュシート(透明) |
---|---|
メーカー | 現場市場オリジナル |
価格 | <%price_OG-OSK-UR%> |
当日出荷 | 〇(福岡から出荷) |
用途 |
・建設工事、解体工事の壁面養生等。 ・外の光を取り込んで、作業場を明るくしたい現場 ・死角となりやすい箇所での、ぶつかり事故防止の安全対策 ・視界を改善し作業性を向上したい場合 |
仕様 |
日本防炎協会認定 引張強度:縦290x横170(N/3cm) 風力係数:1.23 重量:50g/m² カラー:クリア ハトメ付き(ピッチ45cm) 継ぎ目なし |
バリエーション | あり |
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5色展開で様々な用途に対応可能 モリリン 国産防炎メッシュシートⅡ類(MRM-302)
商品名 | モリリン 国産防炎メッシュシートⅡ類(MRM-302) |
---|---|
メーカー | モリリン(株) |
価格 | <%price_OG-MORIRIN-MRM-302%> |
当日出荷 | ×(メーカー出荷品) |
材質 | ポリエステル糸x塩ビ樹脂コーティング |
仕様 |
JIS(A8952)2類 の強度 アルミハトメ付き(ハトメ内径12mm) カラー:グレー/ブルー/黒/白/ライトグリーン |
バリエーション | あり |
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テントや養生に使いやすいハトメ付きモリリン 国産白防炎シートⅡ類(MRS-002)
商品名 | モリリン 国産白防炎シートⅡ類(MRS-002) |
---|---|
メーカー | モリリン(株) |
価格 | <%price_OG-MORIRIN-MRS-002%> |
当日出荷 | ×(メーカー出荷) |
材質 | ポリエステル糸x塩ビ樹脂コーティング |
仕様 |
JIS(A8952) 2類の強度 アルミハトメ付き(ハトメ内径12mm) カラー:白 |
バリエーション | あり |
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軽量タイプで使いやすい萩原 ターピー スーパーライト防炎クロスSPL1850
商品名 | 萩原 ターピー スーパーライト防炎クロス(防炎シート) ホワイト 1.81m×50m SPL1850 |
---|---|
メーカー | 萩原工業(株) |
価格 | <%price_00763549%> |
当日出荷 | 〇 |
材質 | ポリエチレン(PE) |
仕様 |
・防炎表示者認定番号:AFE330085 ・引張強度:縦180N/3cm、横350N/3cm ・引裂強度:縦80N、横160N ・サイズ:幅1.8m×長さ50m×厚み0.15mm ・番手:#2200 ・ハトメなし |
バリエーション | あり |
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間仕切り用にも使える萩原 透光防炎シート 半透明 TOBSR
商品名 | 萩原 透光防炎シート 半透明 ハトメなし 1.8m×50m TOBSR |
---|---|
メーカー | 萩原工業(株) |
価格 | <%price_00765478%> |
当日出荷 | 〇 |
材質 | ポリプロピレン(PP) |
仕様 |
・防炎表示者認定番号:AFE330085 ・引張強度:縦700N/3cm、横600N/3cm ・引裂強度:縦300N、横300N ・サイズ:幅1.8m×長さ50m×厚み0.25mm ・ハトメなし |
バリエーション | あり |
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チェーン入りでめくれにくいTRUSCO 防炎糸入りクリアシート
商品名 | TRUSCO 防炎糸入りクリアシート(下部チェーン入) |
---|---|
メーカー | トラスコ中山(株) |
価格 | <%price_PG-U-4-0097%> |
当日出荷 | 〇 |
用途 |
工場や作業現場の間仕切り用カーテン 風よけ |
仕様 |
防炎2類 下部にチェーン入 ・引張強度:縦494N 横600N ・サイズ:幅1.8m×長さ50m×厚み0.25mm ・ハトメなし ・カラー:クリア ・焼却時にダイオキシンは発生しません |
バリエーション | あり |
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高耐久性の基布を使ったTRUSCO カラーターポリンシート
商品名 | TRUSCO カラーターポリンシート(防炎2類相当) |
---|---|
メーカー | トラスコ中山(株) |
価格 | <%price_PG-M-1-0009%> |
当日出荷 | 〇 |
材質 | 産業用強力ポリエステル基布に塩ビコーティング |
仕様 |
・防炎2類 ・引裂強度:縦69N、横69N、 ・引張強度:縦559N/3cm、横539N/3cm ・厚み0.35mm ・ハトメあり(ピッチ30cm) ・カラー:ブルー/オレンジ/ブラック/グレー/ライトグリーン/ホワイト |
バリエーション | あり |
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火に強いガラス基布を使ったTRUSCO 不燃認定両面塩ビコーティングシート
商品名 | TRUSCO 不燃認定両面塩ビコーティングシート |
---|---|
メーカー | トラスコ中山(株) |
価格 | <%price_PG-M-1-0313%> |
当日出荷 | ×(メーカーからの出荷) |
材質 | ガラス基布 両面塩ビコーティング |
仕様 |
・ 国土交通大臣による不燃認定品 ・引張強度:縦1230N/3cm、横1080N/3cm ・厚さ:0.18mm ・ハトメなし ・カラー:白色半透明 |
バリエーション | あり |
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まとめ
防炎シートは、火災や落下物といった作業現場によくあるトラブルを防ぐために不可欠な製品です。
もちろん現場では細心の注意が必要ですが、防炎シートは自己消化火性により燃えにくい・燃え広がりにくいのであらゆる作業現場で重宝されています。
商品購入の際は、消防法令の防火性能基準合格のラベルがついているかをご確認ください。
使用環境に応じて1類2類を使い分けましょう。
この記事を書いた人
店長
店長。現場資材を取り扱う商社で確かな知識と実績を積みました。あなたの現場ライフをより快適にするショップを絶賛運用してます!
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現場市場店長のコメント
防炎シートは法律で定められて使用するので絶対に必要になる資材です。購入頻度も多くなるのでお気に入り機能などを駆使してご購入の手間を減らすのが買い物のコツです。
現場市場ではまとめ買いでお得になる商品の対象ですので、商品ページに「まとめ買い」のアイコンがついた防炎シートをぜひチェックしてみてください。