200Vのコンセントの形状を解説!海外ではどうなる?

電源用のプラグを指すコンセントの形状は、一般家庭であれば縦に穴が並行に二つ並んだタイプが一般的です。しかしオフィスや作業場、工場などでは、さまざまな形状のコンセントが使用されています。
家電や機械製品を安全に使用するためには、コンセントの形状に合ったプラグを使用しなければなりません。今回の記事では、コンセントの種類について紹介します。形状の違いを理解して、正しく電源を使用しましょう。
そもそもコンセントとは?

私たちの暮らしに欠かせない「コンセント」は、家電製品や機械などに電気を供給する設備です。壁面に設置されている受け口に、電気製品のプラグを差し込むことで、電気が供給される仕組みとなっています。
一般家庭では100Vタイプの縦に二つの穴が並行して並んだタイプが一般的ですが、実は200Vの電圧のタイプも存在します。200Vのコンセントは、工場や作業場などの業務用機器に使用されるものです。また、一部の高出力な電気製品に対しては、家庭でも200Vを使用します。
電圧のほかにも、電流、接地の有無、差し込み口の形状など、用途や使用環境に応じてさまざまなタイプのコンセントが存在します。コンセントを設置する際には、これらの要素を踏まえて最適な設備を設置することが大切です。
コンセントの分類

コンセントは、以下のようなポイントで分類が可能です。
- 電圧(100Vと200V)
- 電流(15A〜30A)
- 無接地と接地付
- 単相と三相
- 引掛形や抜止形の有無
- アースの有無
それぞれのポイントについて詳しく紹介します。用途にあったコンセントを設置・使用するようにしましょう。
電圧(100Vと200V)
日本では、家庭用の電圧はおおむね100Vで統一されています。ただし、一部のエアコンやIHクッキングヒーターなどでは200Vの電源を使用するケースがあります。また、業務用の高出力な機械を使用する現場では200Vのコンセントがしばしば設置されます。
100Vのコンセントが、並行な2本の穴であるのに対して、200Vのコンセントは、「横一文字」や「穴の片方がL字型」「ハの字型」などさまざまです。これらは基本的に、誤って100Vの機器を接続しないようにするための工夫です。
電流(15A〜30A)
コンセントには、それぞれ許容される電流値があります。基本的には15A・20A・30Aの3種類です。一般家庭用のコンセントでは15Aが標準となっています。
コンセントは、電流・電圧の強さや無接地・接地付の違いによりさまざまな形状をしています。ただし、電圧・電流が異なっていても、同じような形状をしているコンセントもみられます。電流の量が合わないプラグをささないようにしましょう。
高電流タイプのコンセントを使用するときは、出力に見合った形で配線工事・ブレーカーを整備して、トラブルが起きないよう対策をしなければなりません。自宅や作業場の適切な電流値を正しく把握し、許容値に合った製品を使用する必要があります。
無接地と接地付
「接地」とはアースのことで、接地付とは「アースのための差し込み穴がある」タイプをいいます。
接地付コンセントは基本的に三つ穴タイプで、穴のうち一つは接地極となっていて、アース用のケーブルを接続するための構造です。アースを接続すると、漏電時に電流を地面に逃がし、感電や火災のリスクを軽減できます。
現在の内線規程では、200Vの高電圧を扱う場合、アースの接続が原則として義務化されています。コンセントを接地付にすべきかどうかは、あらかじめ工事業者に確認したうえで、適切な設備を設置しましょう。
単相と三相
電力の供給方式には、単相と三相という2種類の方式があります。一般家庭のよくあるコンセントは基本的に単相で、三相・200Vのコンセントは業務用設備や工場などでの使用が中心です。
単相は周波数の波形が1つで、三相は3つとなります。周波数の数が多い方が電源の効率がよいため、三相の方が少ない電流で同様の電力を得られます。
三相コンセントは、一般家庭では見かけませんが、業務用の厨房や機械などの電源としてはしばしば使用されます。次に紹介する引掛形や抜止形を使用する銘柄が多いのが特徴です。
引掛形や抜止形の有無
引掛形や抜止形と呼ばれるタイプのコンセントもあります。引掛形は、プラグをひねるように回転させると、プラグの抜け留めにプラグ側の刃が引っかかってロックされる機能が備わっています。ロックすれば、抜けにくく安全な状態で機械や家電を使用できます。
引掛形は主に業務用のコンセントに使用されますが、家庭内でも、200Vコンセントに対して引掛形を採用する場合があります。
そのほか、抜止形のコンセントもあります。こちらは、100V用の家庭用コンセントに使用するケースが多いです。プラグを回してロックをかけられるのは同様ですが、こちらは一般的な単相100Vのプラグも使用できます。
コンセントのトラブルと予防

コンセントのよくあるトラブルとして、以下のようなものがあります。
- そもそも電気が供給されない
- トラッキング現象による火災
- 電気容量の超過による発熱
それぞれのトラブルと対策について、簡単に紹介します。
そもそも電気が供給されない
コンセントに機器を差し込んでも動かないとき、考えうる基本的な原因は「電気が来ていない」ことです。内部構造で漏電している、対応するブレーカーが落ちてしまっているなどの原因が考えられます。
200Vコンセントは専用回路になっていることが多く、対応するブレーカーのみが落ちている可能性があります。そのときは、ブレーカーを戻せば簡単に復旧します。ブレーカーを操作しても状況が変わらない場合は、無理に自分で対処しようとせずに専門業者に相談しましょう。
トラッキング現象による火災
コンセント周辺のトラブルで注意が必要なのが「トラッキング現象」です。トラッキング現象とは、長期間差しっぱなしのプラグとコンセントの間にホコリがたまり、それが湿気を吸って通電し、発熱・発火に至るという現象です。
定期的にプラグを抜いてホコリを除去することで、このような事故は防げます。また、トラッキングカバー付きのプラグを使用するのも効果的です。出力の大きい200Vのコンセントは、それだけトラッキングのリスクも高いため、適切な予防措置を講じておきましょう。
電気容量の超過による発熱
定格の容量を超えた電気を使用すると、コンセントや配線が過熱し、火災に発展するリスクがあります。延長コードやたこ足配線を行っていると、合計の電気容量が許容量を超えてしまう恐れがあるため注意が必要です。
住宅やオフィス、作業場などの分電盤に表示される容量を確認してコンセントの許容電流を正しく理解し、適切な容量の中で電気製品を使用しましょう。
まとめ

200Vのコンセントは、高出力機器に対応するための重要な設備です。特に工場や作業場など高出力の機械が多い場所では重宝します。家庭でも、高出力な家電を使用するために使用する場合があります。
コンセントは電圧・電流のほか接地の有無、差し込み形状の違いなどにバリエーションがあります。使用する機械や環境に応じて、最適なコンセントを設置しましょう。また、コンセントに合った形状のプラグをもつ機械を使用することも大切です。
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この記事を書いた人
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たかみち
現場市場のページデザインを担当。趣味のキャンプ用にブロワーを買ったところ、使い勝手の良さに感動。完全に工具沼に(笑)最近テーブルのDIY用に丸ノコを購入しました。実際に使ったからこそ、本当におすすめできるアイテムを紹介していきます。
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たかみちのコメント
記事での説明の通り、100V用の穴に間違えてコンセントを差し込まないように200Vでは様々な形状のプラグを使用します。
そのため基本的には機器本体だけの販売で、その先のコードやプラグは別売りということが多々あります。
200Vの機器を購入する際に「買い忘れた!」ということが無いように一緒にチェックするようにしましょう。