ホールソーのサイズと選び方のポイントを解説!
ホールソーはドリルビット等よりも大きなサイズの穴をあけられる工具です。
素材やサイズごとに豊富な種類があり、配管工事・電気工事といったプロの現場からDIYまで広く使用されています。
今回は、
● ホールソーの種類
● ホールソーとコアドリルの違い
● ホールソーのサイズ
について詳しく解説していきます。
ホールソーとは薄板に大きめの穴をあける工具
ホールソー(hole saw)とは、比較的大きめの穴を開けるための工具です。
真ん中の細いドリルはセンタードリル、外径のカップ状の刃は鋸刃部と呼びます。
● 電気工事
● 水道管工事
● ガス配管工事
● 空調工事
● 木材加工
● 樹脂加工
などの現場で使われることが多いです。
画像引用元:超硬ホールソー メタコアトリプル | ホールソー | 製品情報 | ユニカ株式会社 [UNIKA CO., LTD.]
ホールソーは中心と外径のみをくりぬくので、鉄工ドリルなどと比べて時短で電力消費も押さえられ、効率よく大きな径の穴が開けられます。
ホールソーを使う工具
ホールソーは、
● 電動ドリル
● インパクトドライバー
● ボール盤
● フライス盤
● マシニングセンタ
などの電動工具に装着して使用します。
使用する電動工具によって構造が異なるので、サイズや接続部分の形状が合ったものをお選びください。
ホールソーの種類
ホールソーは使用する材料に合った種類を使用しましょう。
木材・金属・難削材(ステンレスなど)など、素材ごとに硬さや摩擦熱への耐性が異なるので合わないものを使用すると使用感に影響したり、ホールソーの寿命が短くなってしまうこともあります。
必ずパッケージなどに記載されている適合材料をご確認ください。
木工用
木工用ホールソーは鋸刃部が薄いのが特徴です。
刃の素材は炭素工具鋼やステンレスSUS420J2が使われます。
炭素工具鋼製の場合は、錆びやすいので使用後にさび止め材を塗って保管しましょう。
上図のように複数枚の鋸刃部がセットになった製品も多いですが、そのまま使うわけではありません。
鋸刃部が外れるようになっており、開けたい穴のサイズに合ったものを1枚取り付けて使用します。
木工用ホールソーは金属の穴あけはできませんが、塩ビや発泡スチロールなどに使えるモデルもあります。
金属用
金属用のホールソーは、金属の硬さに合わせてバイメタルと超硬素材を使い分けます。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
バイメタル
バイメタルホールソーは、バイメタルと呼ばれる2種類の金属を組み合わせた素材を使用したホールソーです。
刃の部分にハイスなど耐摩耗性に優れた素材を、それ以外の部分には靭性に優れたバネ鋼を使用することで耐久性を高めています。
アルミ・鋼・ステンレスなどの薄板の穴開けに適しており、木材や樹脂素材に使える製品も多くあります。
このようにセンタードリルにバネ状の排出器が着いたものは、切屑が溜まりにくいのでスムーズに作業ができます。
超硬ホールソーにも排出器がついたものがあります。
超硬
ユニカ 超硬ホールソー メタコアトリプル(ツバ無し) 14mm MCTR-14TN
硬質の金属を加工して作られた超硬合金を使用したホールソーです。
超硬合金は高硬度で摩擦熱に強いため、厚みのある鋼板やステンレスなど硬い金属の板や配管の穴あけもできます。
チタン加工などを施して、より耐久性を高めた製品も販売されています。
バイメタル・超硬ともに、鋸刃部の付け替えはできません。
開けたい穴のサイズに合った径のホールソーを揃えましょう。
ホールソーとコアドリルの違いは素材と深さ
ホールソーのように大きめの穴を開けられる道具として、コアドリルがあります。
ホールソーとコアドリルは見た目だけではなく、センタードリルでセンターを決めてカップ状の刃で大きな穴を切削するメカニズムも似ています。
そのため違いが分かりにくいかもしれませんが、穴を開ける深さと対象となる材料が異なります。
・ホールソー
ホールソーで穴を開けるのに適した素材は木材・樹脂・金属など。
カップ状の刃は浅く作られていることが多く、比較的薄めの板材に穴を開ける際に使います。
深穴ホールソーといって、一般的なホールソーよりも深い穴を開けられる製品もあります。
・コアドリル
ハウスB.M マルチ兼用コアドリル(振動・回転ドリル用)の通販|現場市場
コアドリルはコア=石材・コンクリート・モルタルなど硬い素材に穴を開けるために使用します。
外径の刃部分が長く作られているので、ブロックや外壁など厚みがある素材でも貫通穴が開けられます。
コアドリルの特徴と、お勧め商品についてはこちらで詳しくご紹介しおります。
ぜひ合わせてご覧ください。
ホールソーのサイズと回転数
ホールソーのサイズには規格はありません。
一般的に販売されているものは直径12〜180mmの物が多いようです。
中には直径300mmというかなり大型の製品もあります。
ドリルビットでは開けられない20mm以上の穴を開けたい時にホールソーを使う場合が多く、電気工事では直径21・27・33mmのサイズがよく用いられます。
作業内容にもよりますが木工や金属の板への穴あけ作業では30〜50mmと、大きめサイズのホールソーも使われます。
ホールソーには製品ごとに適性回転数(推奨回転数)が決められています。
適性回転数を超えて使うと刃が消耗されて工具の寿命が縮んだり、刃が焼けて切削能力が落ちたりするので関らず適性回転数を守って使用しましょう。
小さな穴を開ける時は回転数を多く(=速く)、大きな径の穴を開ける時は回転数を少なく(=遅く)設定します。
木材か金属かによっても回転数は変わるので作業前に必ずご確認ください。
ホールソーを取り付けるシャンクの違い
ホールソービットは取り付ける電動工具によってシャンクの形状が異なります。
様々な形状がありますが、ストレートシャンクか六角シャンクのものが多いようです。
電動工具の種類によっては適さない作業や、注意が必要なケースもありますのでポイントも合わせてご紹介します。
ストレートシャンク
ユニカ ハイスホールソー ダウンライト用 75mm ストレートシャンク HSDL-75ST
ストレートシャンクは、ドリルドライバや振動ドリルで使用されます。
ドリルドライバーを使用する際は、回転数が適性値を超えないように調節できるものをお選びください。
六角シャンク
六角シャンクはシャンク部分が六角形になっています。
6.35mmの六角シャンクはインパクトドライバー用で、ワンタッチで接着できます。
インパクト用ホールソーを使う場合は、負担を押さえるために小さめの穴を開ける時の使用がおすすめです。
また、材料の焼けや破損を押さえるために打撃機能をオフにできるものをご使用ください。
様々なサイズの穴あけをするならセットがおすすめ
仕事などでホールソーを使った作業を頻繁に行う場合は、複数のサイズがセットになったものがおすすめです。
数ミリ単位のサイズ違いがセットになっているので、多様な作業内容に対応できます。
また、ひとつずつ買い揃えるよりも価格が押さえられるのもメリットと言えるでしょう。
ただ直径100mm以上のホールソーはセット販売されていることは少ないようです。
まとめ
ホールソーは大きめな径の穴を開けられ、ドライバドリルなど手軽な電動工具に装着できることから広く使用されています。
ホールソーには決まった規格はなくサイズ展開はメーカーによって異なるので、ご購入の際には素材・鋸刃部の直径・鋸刃部の深さ・シャンクの形状をご確認の上、用途に合ったものをお選びください。
現場市場では、様々なタイプ・サイズのホールソーを取り扱っております。
ホールソーをお探しの方はぜひ商品一覧ページもご覧くださいませ。
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この記事を書いた人
ヤス
愛車はシトロエンC3。前職は家具メーカーのECサイト運営。現場市場の企画・撮影を担当。知られざる「現場にあると嬉しいモノ」を知ってもらうことを目的に活動中。休日の日課はもちろん洗車です!
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ヤスのコメント
綺麗な丸穴をあけれるホールソー。電気工事や水道工事まで何でも使えて本当に便利です。
現場だけではなく、最近では家具に配線用の穴をあけてDIYに使うなどマルチに活躍しています。
元々劣化しやすいホールソーですが選定を間違うと余計に劣化を速めてしまいますので、「何か違和感があるな…」と感じたら
是非現場市場へご相談ください。