アース線の付け方とは？役割や必要性、つける場所がない時の対策も解説
引っ越したり新たに家電製品を購入したときには、アース線を取り付ける場合が多いでしょう。設置場所や自宅の環境次第では、アース線を取り付けるのが難しいことも少なくありません。それでも、感電や火災などの事故を予防するために、可能な限りアース線を取り付けることをおすすめします。
今回の記事ではアース線の取り付け方や用途、取り付けが難しい時の対策を紹介します。新たな家電製品を取り付けるときは、ぜひ参考にしてください。
アース線の基本的な役割
アース線は、家電本体を動かすうえでは必要がありません。一方で「感電を防ぐ」「火災を防ぐ」といった重要な役割があります。
多くの家電製品は、使う際にコンセントなどから電気を流して使うものです。経年劣化や家電自体の不備や故障などによって、家電の内部で漏電してしまうリスクがあります。
もし何の対策もなくその状態の家電に触れると、感電して大事故につながってしまう危険性があるのです。アース線があれば、漏電した電気は地面に逃げていくため、感電のリスクを大きく減らせます。
また、落雷による故障を防ぐうえでも有効です。落雷で電線に通電してしまうと、強力な電流が家電に流れるため、家電が故障する原因となります。アースを設置しておけば、余剰な電力は地面に逃げていくため、落雷を原因とした感電を防げるのです。
アース線が必要な家電製品
使用電圧の高い家電、水気の多い場所で使用する家電において、アース線の取り付けが定められています。具体的には以下のような家電です。
- 洗濯機・衣類乾燥機
- エアコン（室内機・室外機）
- 電子レンジ
- 電気給湯機
- 食器洗浄機
- 温水洗浄便座（ウォシュレット）
- 冷蔵庫
- テレビ
- パソコン
- 庭園灯
冷蔵庫や電子レンジやIHクッキングヒーター、エアコンなどは、大量の電力を使用するため、アース線の取り付けが必要です。また、洗濯機や食器洗浄機、温水洗浄便座（ウォシュレット）などは、家電自体が水を使用するため、漏電時の感電リスクが相対的に高いことから、やはりアース線がついています。
これらの家電を安全に使用し、また故障のリスクを下げるために、可能な限りアース線を取り付けるようにしましょう。
アース線がついている家具
アース線がついている家具もいくつかあります。たとえば、キッチンのシステム収納棚やオフィスで使用される机、洗面台の鏡面台などは、アース線がついている場合があります。
これらの家具は家具の中に電気を使用する機械が内蔵されていたり、周辺で家電製品を使用する機会が多かったりするのが特徴です。そこで、万が一の感電のリスクを防ぐ目的で、アース線が付属しているのです。
アース線の基本的な取り付け方
アース端子には、大きく分けて「ワンタッチタイプ」「ねじなしタイプ」「ねじタイプ」3種類があります。端子の形状によって取り付け方が違うため、使うアース端子の種類をよく確認したうえで、正しく取り付けましょう。
ここからはアース端子のタイプ別のアース線の基本的な取り付け方を紹介します。
ワンタッチ・ねじなしタイプ
ワンタッチタイプは、アース端子に差し込む、またはひっかけて取り付けます。アース端子は一般にコンセントの近くに取り付けられています。まず、安全のために、家電の電源を落として、一度コンセントを抜き取りましょう。
ワンタッチタイプについては、その後端子の中にアース線を差し込むだけで取り付けられます。最後にしっかり固定ができているか確認し、問題がなければ完了です。
ねじなしタイプのなかには、端子の部分につまみがついているタイプのアース端子もあります。こちらの場合は、つまみを手で緩めて、隙間にアース線の先をひっかけて使用します。いずれのタイプも基本的には工具なしで作業を完了できますが、安全のために手は手袋などで覆うことをおすすめします。
ねじタイプ
ねじタイプの取り付けには、ドライバーが必要になるので用意しましょう。こちらも、まずは本体の電源を落とし、コンセントを抜き取ってください。そのうえで、まずアース端子の中にあるねじを少しゆるめます。
続いてアース線を取り付けるのですが、まずアース線の先が輪っか状になっている場合は、その部分をネジに通してください。先端が針金状になっている場合は、緩めたねじの部分にひっかかるように「J」の字のように先端を曲げ、取り付けましょう。
いずれかの形でネジ部分にアース線を取り付けたら、再びねじを締めて固定します。外れる心配がなければ、アースの取り付けは完了です。
アース線が取り付けられないときの対処法
アース線を繋ごうと思ってもアース端子が家になかったり、アース線が短くて端子に届かないなど、さまざまな事情で取り付けられない場合があるでしょう。そのようなときの対処方法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
アース線が短い場合は延長
アース線が短く端子に届かない場合は、アース線の延長コードを購入して接続しましょう。接続させる際は、圧着端子やワンタッチの接続コネクタなどを使って、アース線同士を固定しましょう。
また、接続部の漏電・感電を防ぐために、絶縁効果があるビニールテープを巻いて固定させましょう。アース専用の延長コードは、ホームセンターや家電量販店で購入できます。もちろん現場市場でも取り扱っています。オンライン上で買い物を済ませたい方は、ぜひ現場市場のショップにアクセスしてみてください。
現場市場のオンラインショップを見てみる複数のアース線を一つにつないでもよい
数本のアース線を、まとめてアース端子に繋ぐことも可能です。アース端子が足りないと感じている方は、既に使用中の端子の併用を検討してみてください。
複数のアース線を取り付けるときには、それぞれのアース線を端子にしっかりと固定して、緩みがでないようにしましょう。また、繋ぎすぎは危険なので、2〜3本程度にとどめておくのが適切です。
取り付けられないときは絶縁
以上の方法を含めて、どうしても取り付ける方法がないときは、アース線を絶縁しましょう。
アースの金属部分が他のものに触れてしまうと、意図しない形で通電してしまうリスクがあるためです。市販の絶縁用テープなどでくるんで、コード部分などに巻き付けておきましょう
アース線なしで家電を使用するリスク
アース線を差し込まなくとも、家電自体を使用することはできます。しかしながら、漏電に伴う感電や発火のリスクが高まる点に注意しましょう。
アース線を正しく付けなければ、漏電をおこしたときに電気が外部に逃げていきません。その状態で家電に触れると、感電するリスクがあります。また、漏電した電気が長時間たまったままになると、家電や配線が熱を持ってしまいます。
最悪の場合、出火して周囲のホコリや壁に燃え移り、火災の原因となる危険性もあるのです。これらのリスクを減らすためにも、可能な限りアースを正しく設置することをおすすめします。
まとめ
アースは、家電製品の漏電や出火などを防ぎ、安全に使用できるようにするためのものです。今回の記事を参考に、正しく取り付けて感電や火災などの事故を防ぎましょう。現場市場では、アースの取り付けに役立つ部品・製品も多数販売しています。
ご家庭や作業現場などで、アースの取り付けにお困りの方は、ぜひ現場市場のウェブサイトで追加の部品を購入しましょう。
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この記事を書いた人
たかみち
現場市場のページデザインを担当。趣味のキャンプ用にブロワーを買ったところ、使い勝手の良さに感動。完全に工具沼に（笑）最近テーブルのDIY用に丸ノコを購入しました。実際に使ったからこそ、本当におすすめできるアイテムを紹介していきます。
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たかみちのコメント
意外にも家電や配線等電気が原因の火災が上位を占めています。
目に見えにくい電気ですが是非気を付けたいです。
もし電気系統が原因と疑われる火災が起きたときは、安全を確認の上、まずは電源プラグを抜いたりブレーカーを落としたり、電気を遮断することを意識しましょう。
また、消火器も「電気火災対応」と書かれているか確認の上使用するようにしましょう。
家電や電子機器が多種多様になり電気がより身近な今こそもしもの際の対処法を覚えておきたいですね。