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内装工事とは?種類・工程・費用・業者選びまでわかる完全ガイド

内装工事とは?種類・工程・費用・業者選びまでわかる完全ガイド

内装工事は、オフィス・店舗・クリニック・住居など、あらゆる空間づくりに欠かせない重要な工程です。

「内装工事ってどこからどこまでが対象なの?」「費用の目安は?」「業者ってどうやって選べばいい?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、内装工事の基本的な意味から、代表的な工事の種類、実際の工事の流れや費用相場、業者選びのポイントまでを幅広く解説します。

これから内装工事を依頼したい方はもちろん、業者として自社サービスを見直したい方にも役立つ情報をまとめました。工事を成功させる第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

INDEX

内装工事の基本知識

内装工事を行う際には、まず基礎知識を知ることが大切です。ここでは、まず「内装工事ってそもそも何?」という基本から、関連用語との違い、工事内容の違いに影響する物件の状態までまとめました。

それぞれをくわしく解説していきます。

内装工事の役割と目的を理解する

内装工事とは、建物の中を「機能的な空間」に仕上げるための工事を指します。

壁や床、天井といった目に見える部分の仕上げはもちろん、空間の用途に合わせたレイアウトや設備の配置など、快適で機能的な環境を整える役割を担っているのです。

たとえばオフィスであれば働きやすい動線や照明計画、飲食店であれば厨房設備やお客様の居心地を左右する内装デザインなど、目的や業種によって必要な工事の内容は変わってきます。

また、法律や消防設備、バリアフリーへの対応など、見えにくい部分にも配慮が必要になるケースもあります。単に「見た目をきれいにする」だけでなく、使う人の行動や働きやすさを支える“空間づくり“こそが内装工事の目的です。

そのため、デザイン性・機能性・安全性をバランスよく考慮することが重要になります。

内装仕上工事との違いを知っておく

「内装工事」と「内装仕上工事」は、似た言葉ですが意味合いには明確な違いがあります。

一般的に「内装工事」は、建物の内部空間全体を整える広い範囲を指し、レイアウト設計から骨組み、配管・配線といった基礎部分までを含みます。一方「内装仕上工事」は、壁紙貼りや塗装など、空間の見た目を整える最終的な仕上げ作業に特化しています。

以下に、両者の違いをわかりやすく表にまとめました。

比較項目 内装工事 内装仕上工事
意味 建物内部の空間全体を整える工事。間仕切りや設備の設置など、居住や業務に適した空間を構築するための工事。 壁・床・天井などの表面を美しく仕上げる最終的な作業。デザイン性や快適性を高めるための工事。
主な内容 軽天工事、配線・配管工事、ボード貼り、断熱材の設置、間仕切りの構築など。 クロス貼り、床材施工、塗装、タイル貼り、建具の取り付けなど。
建設業許可の分類 一般的には「内装仕上工事業」に含まれるが設備工事を含む場合は別途「電気工事業」や「管工事業」の許可が必要となることもある。 「内装仕上工事業」として、建設業許可の29業種の一つに分類される。

実際の現場では、内装工事の中に仕上工事が含まれる形で進みます。

ただし、建設業界や許可区分の場面ではしっかり区別されており、業者選びや見積もりを取るときにも影響することがあります。日常の会話では混同されがちですが、契約や発注の際には、この違いを正しく理解しておくことが、スムーズなやり取りやトラブル防止につなげましょう。

内装工事の主な種類

内装工事と単に表現しても、実際にはさまざまな工種が組み合わさって成り立っています。骨組みから仕上げ、設備工事まで、それぞれの工程には専門的な作業があり、目的や場所によって必要な工事も変わってきます。

ここでは、代表的な内装工事の特徴や役割、よく使われる場面などを解説します。

軽天工事(軽量鉄骨での骨組み)

軽天工事とは、軽量鉄骨(軽天材)を使って天井や壁の下地を組み立てる工事のことです。

軽天材は鉄製でありながら軽量なため、施工性が高く、天井裏や壁の内部構造として広く使用されています。木材に比べて反りや狂いが少なく、防火性にも優れている点が特徴です。

店舗やオフィスのレイアウトに合わせて、間仕切りを作ったり、天井の高さを調整したりと、空間設計の基盤になる重要な工程です。また、空調や配線などの設備を通すスペースも確保できるため、後工程の作業にも影響します。

最近では、環境負荷を抑えるためにリサイクル材を使った軽天も登場しており、コスト面と性能のバランスからも注目されています。

ボード工事(石膏ボードなどの壁材)

ボード工事は、軽天工事で組んだ骨組みの上に、石膏ボードなどの板材を貼り付けて壁や天井の下地をつくる作業です。石膏ボードは、防火性・遮音性に優れ、加工もしやすいため、内装工事ではもっとも一般的に使用されています。

この工程は、仕上げとなるクロス貼りや塗装工事の「土台」となる重要な役割を持ちます。ボードの貼り方が歪んでいると、後の仕上がりにも影響が出てしまうため、丁寧で正確な施工が必要です。

使用されるボードの種類もさまざまで、防音仕様のものや耐水性を持つものなど、空間の用途に合わせた選定が大切です。たとえば、会議室や診療室などでは防音ボード、トイレやキッチンまわりには耐水ボードが選ばれることが多いでしょう。

クロス工事(壁紙貼り替え)

クロス工事とは、壁や天井に壁紙(クロス)を貼って仕上げる作業のことです。内装工事の中でも見た目に直結する工程であり、空間の印象を左右する大切なポイントになります。

クロスには、ビニールクロスや紙クロス、織物クロスなどさまざまな種類があり、機能性もデザインも豊富です。防汚・抗菌・吸湿などの機能付きクロスも多く、使用する場所や目的に応じて選ばれます。

貼り替えの場合、既存クロスの剥がし作業や下地処理の丁寧さが仕上がりを左右します。

とくに下地に凹凸があると仕上がりが美しく見えないため、ボード面の状態も重要です。

色や柄の選び方次第で、空間の雰囲気をガラッと変えられる点がクロス工事の魅力になります。

床仕上げ工事(フローリング・タイル・CFなど)

床仕上げ工事は、下地の上にフローリング材やタイル、クッションフロア(CF)などを敷いて、床を仕上げる工程です。内装工事の中でも、見た目と歩き心地の両方に関わる重要な工種といえます。

たとえば木目が美しいフローリングは住宅やサロンなどで人気があり、高級感や温かみを演出できます。一方でタイルは耐久性や防水性に優れており、トイレやエントランスなどに多く使われます。クッションフロアは安価で施工性が高く、店舗や事務所の床材として重宝されています。

仕上がりだけでなく、床材の機能性やメンテナンス性も選定のポイントです。また、防音性や滑りにくさが求められる場所では、機能付きの床材を選ぶことで快適性が大きく変わります。

塗装工事(壁や天井の仕上げ)

塗装工事は、壁や天井、柱などに塗料を塗って仕上げる工程です。内装の見た目を整えるだけでなく、素材の保護や耐久性の向上といった役割もあります。

一般的に使用される塗料には、水性塗料、油性塗料、アクリル系、ウレタン系などがあり、用途や仕上がりの質感に応じて選ばれます。最近では、消臭・抗菌などの機能を備えた塗料も登場しており、オフィスや医療施設での需要も高まっています。

クロスと比べて、自由な色合いや質感を表現しやすく、部分補修がしやすいのも塗装のメリットです。また、下地の状態を活かした塗り仕上げ(例えばコンクリート打ちっぱなし風)など、個性的な空間づくりにも向いています。

塗装工事は、素材の選定や養生の丁寧さによって仕上がりに大きな差が出るため、施工経験のある職人による対応が欠かせません。

電気・空調・水回りの設備工事

内装工事において、電気・空調・水回りといった設備工事は、空間を快適かつ機能的に使うために欠かせない重要なポイントです。見た目に直接現れないことも多いですが、日常の利便性や安全性を支える「縁の下の力持ち」といえます。

電気工事では、照明やコンセントの位置、配線の経路を計画し、使用用途に合わせて施工を行います。空調工事では、冷暖房機器の設置だけでなく、空気の流れや換気の効率にも配慮した設計が求められます。

また、水回りの工事では、給排水の配管や衛生設備(トイレ・洗面台・キッチンなど)の設置を行い、衛生面や使い勝手を考慮した施工が重要です。

これらの設備工事は、建築物の基礎構造や他の工事との兼ね合いも多いため、事前の綿密な打ち合わせとスケジュール管理をしっかり行いましょう。

インテリア工事(造作家具・什器など)

インテリア工事とは、空間に合わせてオリジナルの家具や什器(じゅうき)を設置する工程のことを指します。内装の仕上げとして、空間の使い勝手やデザイン性を左右する大切な工事のひとつです。

たとえば、店舗で使うレジカウンターや陳列棚、オフィスでの造作デスクや収納棚など、既製品では対応しにくいサイズ・形のものを空間に合わせて作ります。素材や色、サイズまで細かく調整できるため、デザインコンセプトに統一感を持たせやすい点が大きなメリットです。

ただし、造作物は一度作ると簡単には変更できないため、実用性や動線とのバランスを考えた上で計画を進めましょう。使用する素材の選定や加工精度によって耐久性や質感も大きく変わるため、家具製作のノウハウを持つ職人や業者に依頼すると安心です。

内装工事の流れと進め方

内装工事をスムーズに進めるためには、あらかじめ全体の流れを把握しておくことが重要です。

現地調査からプラン設計、見積もり、施工、そして引き渡しまで、各ステップには押さえておきたいポイントがあります。ここでは、実際の内装工事がどのように進行していくのか、順を追ってわかりやすく解説していきます。

1. 現地調査とヒアリング

内装工事のスタートは、現地調査とヒアリングから始まります。実際の物件を確認し、工事範囲や既存設備の状況、寸法、搬入経路などを丁寧にチェックすることで、工事全体の見通しが立ちやすくなります。

また、ヒアリングも非常に重要です。どのような用途で使いたいのか、どんな雰囲気を目指しているのかといった要望を詳しく聞き取り、施工プランのベースを固めていきます。

現地調査とヒアリングで確認すべき代表的な項目は、以下のとおりです。

  • 建物の構造(天井高、柱・梁の位置など)
  • 電気・給排水などのインフラ状況
  • 出入口や搬入経路の幅・動線
  • 既存内装の有無と状態(スケルトンか居抜きか)
  • 使用目的や希望するレイアウト・デザイン

この段階で情報を的確に把握しておくことで、プランの精度や見積もりの正確性が高まり、後工程でのトラブルも防ぎやすくなります。

2. レイアウト・デザインの設計

現地調査とヒアリングをもとに、空間の用途や動線を考慮したレイアウト設計を行います。同時に、内装のテイストやカラー、素材の選定など、空間全体のデザインを詰めていく段階です。

特にオフィスや店舗では、使いやすさや導線計画が仕上がりの満足度を大きく左右します。単に見た目だけを整えるのではなく、業務効率やお客様の印象にも配慮した設計が求められます。

この段階で検討・決定しておくべき主なポイントは以下の通りです。

  • 間仕切りの配置や部屋の使い分け方
  • 家具や什器の配置とサイズ感
  • 電源・照明・空調の位置と機能性
  • デザインの方向性(色・素材・雰囲気)
  • 施工可能な範囲と制限事項(構造上の制約など)

設計プランは、平面図やパース(3Dイメージ)などを用いて視覚的に共有することで認識のズレを防ぐことができます。

3. 見積もり取得と契約

レイアウトやデザインの方針が固まったら、次は見積もりの取得と契約手続きに進みます。この段階では、設計図や仕様書をもとに、実際にどれくらいの費用がかかるかを明確にしていきましょう。

見積もりはできるだけ明細形式で提示してもらい、各項目の内訳が把握できる状態が理想的です。また、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行うことで、相場感や提案力を比較しやすくなります。

チェックすべき主な項目は以下の通りです。

  • 材料費・人件費・諸経費の内訳
  • 工期・納期・施工範囲の明記
  • 変更・追加工事時の費用対応
  • 保証やアフター対応の有無
  • 支払い条件(着手金・中間金・完了時など)

契約時には、見積書だけでなく契約書や工事請負契約約款を確認し、不明点は事前に解消しておきましょう。

4. 着工から完成までの工程

契約が完了すると、いよいよ工事が始まります。着工から完成までは、計画通りに工事が進むよう、工程の管理と現場との連携が重要になります。

工事は以下のような順序で進行します。

  1. 墨出し作業(位置決め)
  2. 軽天工事や下地づくり
  3. 配線・配管などの設備工事
  4. 仕上げ工事(クロス・床・塗装など)
  5. 什器や設備の取り付け・最終調整

各工程ごとに専門の職人が作業を行うため、進捗管理や連絡体制の整備がスムーズな工事につながります。また、途中で仕様変更が発生する場合は、追加費用やスケジュールへの影響も含めて柔軟に対応できる体制を整えておくといいでしょう。

工事中は、施主側も定期的に現場を確認し、図面通りに進んでいるかをチェックしておくと安心です。簡単なチェックリストを使うだけでも、見落としを防ぐことができます。

5.完了後のアフターフォロー

工事が完了したあとは、引き渡しとともに最終チェックを行います。設計通りに仕上がっているか、不具合や施工ミスがないかを確認し、必要に応じて是正工事を行うことで、トラブルを未然に防げます。

また、内装工事は完了して終わりではありません。使用開始後に出てくる調整ポイントや軽微な不具合への対応も含めて、しっかりサポートしてもらえる体制があるかどうかが重要です。

アフターフォローで確認しておきたいポイントは以下の通りです。

  • 引き渡し後の保証期間と対象内容
  • 不具合時の連絡方法や対応フロー
  • 定期点検やメンテナンスの有無
  • 書類(図面・保証書など)の受け取り

引き渡し後の安心感があるかどうかで、業者への信頼度も大きく変わってきます。長く快適に使える空間にするためにも、アフター対応まで含めた工事計画を立てておきましょう。

内装工事の費用相場

内装工事の費用は、物件の状態や業種、工事内容によって大きく変動します。そのため、工事を検討するうえで、おおよその相場を把握しておくことは非常に重要です。

ここでは業種ごとの坪単価、費用を抑えるためのポイントをわかりやすく解説していきます。

業種別の費用目安(飲食・美容・オフィス・クリニック等)

内装工事の費用は、物件の状態だけでなく「どの業種で使うか」によっても大きく変わります。業態ごとに必要な設備やレイアウト、求められるデザイン性が異なるため、費用の傾向もそれぞれ異なるのです。

たとえば、飲食店では厨房設備や給排水工事、ダクト設置などが必要となり、設備費がかさみやすくなります。一方、美容室やサロンは、水回りの工事に加えて、内装のデザイン性や照明の工夫が求められることから、空間演出の費用が高くなる傾向があります。

業種別の坪単価の中央値は以下のとおりです。

業種カテゴリ 坪単価の中央値
飲食店 約56.4万円
サービス・医療施設 約37.5万円
物販・アパレル 約36.1万円

オフィスやクリニックも、用途に合わせた設備設計やゾーニングが必要になるため、安易な坪単価比較では判断できない場合があります。

概算ではなく、業種ごとの特性に合わせた個別見積もりを取ることが大切です。

坪単価の相場と内訳

内装工事の見積もりでよく目にする「坪単価」は、1坪(約3.3u)あたりにかかる工事費用の目安を示すもので、業者選びや予算感をつかむうえで便利な指標です。ただし、坪単価にはさまざまな費用が含まれており、単純に広さだけで費用が決まるわけではありません。

実際の金額は、工事内容やデザインのこだわり度合いによって大きく異なり、業種を問わず平均的な内装工事の坪単価中央値は約47.9万円とされています。

業種別の坪単価中央値は以下の通りです。

  • 飲食店:約56.4万円
  • サービス・医療系:約37.5万円
  • 物販・アパレル:約36.1万円

坪単価の内訳は、以下のような構成が一般的です。

費用項目 内容の一例 構成比の目安
設計費 レイアウト設計、図面作成、デザイン提案など 約5〜15%
仕上げ工事費 クロス、床、塗装、間仕切りなどの内装仕上げ 約30〜50%
設備工事費 電気・照明、空調、水回り、LAN、コンセントなど 約20〜35%
諸経費 現場管理費、廃材処分、仮設設備など 約5〜15%
家具・什器費 造作カウンター、棚、収納、備品類 案件により変動

このように、坪単価は「ひとまとめの金額」ではなく、複数の合算で成り立っています。見積もりを比較する際は、坪単価だけで判断するのではなく、各項目の内訳まで丁寧に確認することが大切です。

費用を抑えるためのコツと注意点

内装工事は費用がかかる分、できるだけ予算内に収めたいと考える方も多いはずです。とはいえ、無理なコストカットは後悔の原因にもなりかねません。

ここでは、コストを抑えつつも品質を確保するための工夫と、注意すべきポイントをまとめました。

【費用を抑えるためのコツ】

  • 再利用できる設備や什器を活かす居抜き物件なら既存の壁材や配線をチェック。使える部分はそのまま残すことで工期と費用を削減できます。
  • 素材の選定にメリハリをつける床や壁は耐久性のある素材を使い、目立たない箇所はコスト重視で。すべてに高級素材を使わない工夫がポイントです。
  • 相見積もりを取り、提案内容も比較する単に金額だけでなく、「なぜこの価格なのか」が明確に説明される業者を選びましょう。

【注意点・やってはいけない節約法】

  • 一式見積もりで契約してしまう内訳が不透明だと、後から追加費用が発生する可能性が高くなります。
  • 極端に安い業者に飛びつく素材のグレードや施工の質が落ちるだけでなく、完成後のトラブル対応に難があるケースも。
  • 必要な工程を削る電気工事や防火対策など、見えない部分の手抜きは安全性に関わるため絶対に避けましょう。

工事費用は「かけるべきところ」と「抑えられるところ」を見極めることが大切です。一時的な節約ではなく、長く安心して使える空間を実現するための投資と考えることが、結果的に満足度の高い仕上がりにつながります。

内装工事業者の選び方

内装工事の成功は、業者選びで決まるといっても過言ではありません。同じ要望を伝えても、業者によって提案や仕上がりに差が出ることはよくあります。

ここでは、信頼できるパートナーと出会うためにチェックすべきポイントから、業者選びのコツを紹介します。

業者の体制を見る(設計施工一括/分離発注)

内装工事の依頼方法には、大きく分けて「設計施工一括方式」と「分離発注方式」の2つがあります。この違いを理解しておくと、自分に合った進め方を選びやすくなります。

【設計施工一括方式】
1社にすべてを任せるスタイルで、設計から施工、管理までを一貫して対応してもらえます。 連携ミスが起きにくく、スケジュール調整やコスト管理もスムーズに進みやすい点がメリットです。

【分離発注方式】
設計事務所と施工業者を別々に契約する方式です。 設計の自由度が高く、デザインや工法にこだわりたい場合に向いていますが、発注者側に一定の調整力と工事知識が求められます。

どちらの方式にもメリット・デメリットがあるため、工事の規模や予算、進行管理への関与度に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

見積もりの内容を確認する

内装工事では、工事の大小に関わらず「見積書の内容をどこまで理解できるか」がトラブル回避のカギとなります。

確認すべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 工事項目ごとの明細が記載されているか「一式」とだけ記載された見積もりは要注意。材料費・施工費・設備費などが分かれているか確認しましょう。
  • 坪単価ではなく実費ベースで提示されているか実際の面積や内容に応じた計算になっているかをチェック。
  • 諸経費や追加工事費の扱いが明記されているか「諸経費」が不透明な場合は詳細を問い合わせるのが安心です。
  • 保証内容やアフター対応の記載があるか見積もりと一緒に提示されるケースもあるため、契約前に必ず確認を。

納得のいく見積もりを得るには、金額だけでなく業者の説明力にも注目しましょう。

施工実績や得意分野を見る

信頼できる内装業者を選ぶうえで、これまでの施工実績や得意分野をチェックすることは非常に重要です。

単に工事ができるかどうかではなく、自分の目的に合った工事を得意としているかを見極めることで、仕上がりの満足度は大きく変わります。

とくに確認したいポイントは次の通りです。

  • 業種・業態が近い施工実績があるか飲食店や美容サロン、医療施設など、業種に応じた動線や設備対応に慣れているか。
  • テイストや雰囲気が希望に近いか写真だけでなくビフォーアフターの事例や、仕上がりの質感も参考になります。
  • 現場の規模や条件が自分のケースと似ているか小規模改修と大規模改装では、工事の進め方も異なるため注意が必要です。

施工事例は、公式サイトやSNS、資料請求時などに確認できることが多いので、業者の実力を確認しておきましょう。

担当者の対応力をチェックする

どれだけ実績が豊富でも、実際に対応してくれる担当者との相性や信頼感はとても大切です。打ち合わせから施工完了まで関わる存在だからこそ、「この人なら任せられる」と思えるかどうかが、工事の進行や満足度を左右します。

チェックしておきたい主なポイントは以下の通りです。

  • 話をよく聞き、要望を正確にくみ取ってくれるか希望をただ受け取るだけでなく、プロ目線のアドバイスを添えてくれる担当者は信頼できます。
  • 専門用語をかみ砕いて説明してくれるか知識の押し付けではなく、丁寧に説明してくれる姿勢が安心感につながります。
  • 連絡のレスポンスが早く、内容が明確か返信のスピードや文面の丁寧さは、仕事への姿勢を映す鏡のようなものです。
  • 図面や資料の共有がスムーズか話の内容と図面にズレがないかも含めて確認をしましょう。

やりとりの中で感じた違和感は、あとで大きなズレになることもあるため「人」として信頼できるかどうか、感覚も大事にして選びましょう。

内装工事を成功させるポイント

内装工事を満足のいくかたちで終えるには、設計や施工の質だけでなく、打ち合わせ・スケジュール管理・現場との連携など、全体に目を配ることが欠かせません。ここでは、内装工事を円滑に進め、イメージ通りの空間に仕上げるために押さえておきたい実践的なポイントを解説します。

打ち合わせで要望を具体的に伝える

内装工事で満足のいく仕上がりを実現するには、打ち合わせ段階で要望を具体的に伝えることが不可欠です。あいまいなまま工事が進んでしまうと、「思っていたのと違う」といったズレが発生しやすくなります。

要望を正確に伝えるためのポイントは、次のとおりです。

  • 使いたい素材や色味
  • 空間の用途や過ごし方
  • 優先順位をつけた希望条件
  • 参考にした写真やデザイン事例

たとえば「落ち着いた雰囲気がいい」と伝えるだけでは、受け取り方に個人差が出てしまいます。色や照明、レイアウトのどこに落ち着きを求めているのかを明確にして、認識のずれを防ぎましょう。

また、希望をすべて実現するのが難しい場合もあるため、「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたいこと」を分けておくとプランの調整がしやすくなります。

現場との連携体制を整える

内装工事は、図面通りに進めれば終わりというものではありません。現場では日々さまざまな判断や調整が発生するため、施工中の連携体制が整っているかどうかが、工事のスムーズさを左右します。

連携を円滑にするために決めておきたいことは、以下の通りです。

  • 担当者との連絡手段
  • 質問や確認事項の伝達方法
  • 工事のチェックタイミング

連絡手段はメールやLINE、電話など、双方にとって負担の少ない方法を選ぶのが理想です。また、「〇日ごとに進捗確認をする」など、あらかじめ報告のタイミングを取り決めておくと、トラブルや誤解を未然に防げます。

現場で判断が必要になる場面は想像以上に多いため「いつでも相談できる関係性」があるだけで、現場の安心感はぐっと高まります。

導線・使いやすさを意識して設計を考える

内装デザインにおいて、見た目の美しさだけでなく「使いやすさ」や「動きやすさ」を設計段階から考慮することがとても大切です。

動線設計で確認しておきたい主なポイントは以下の通りです。

  • 入退室・接客・作業などの動きやすさ
  • 来客とスタッフの動線の分離
  • 設備や什器の配置による視線や流れ

たとえば美容室であれば、カットスペースからシャンプー台までの距離や、お客様のプライバシーを保てるレイアウトかどうかが重要です。オフィスであれば、コピー機や共有スペースまでの動きが滞らない設計が、働きやすさに直結します。

導線は後からの修正が難しいため、最初の設計段階で丁寧にシミュレーションしておくことが重要です。

スケジュールと予算に余裕をもたせる

内装工事は「計画通りにいかない前提」で考えておくことが、結果的に失敗を防ぐ近道です。天候や資材の遅延、突発的な仕様変更など、予定外の要素が入り込むことは決して珍しくありません。

トラブルを避けるために、あらかじめ意識しておきたいのが以下の点です。

  • 工期は余裕をもって設定する
  • 見積もりには「予備費」を含める
  • オープン日や引っ越し日から逆算する

たとえば、オープン日が決まっている店舗の場合、逆算して工程を詰めすぎると、1日の遅れが全体に響いてしまいます。最低でも1〜2週間ほど余裕をもたせたスケジュールにしておくと安心です。

また、工事中に仕様変更や追加工事が発生するケースも多いため、予算には全体の5〜10%ほどの予備費を組み込んでおくと、急な支出にも柔軟に対応できます。

内装工事の今どきトレンドと今後の動き

内装工事業界は、技術革新や社会的ニーズの変化により、近年大きな転換期を迎えています。省エネや環境配慮、デジタル技術の導入など、多様なトレンドが業界全体に影響を与えています。

ここでは、内装工事の最新動向と今後の展望について解説します。

環境配慮型の素材・施工が増えている

最近では、地球環境にやさしい素材や工法を取り入れた内装工事が増えてきました。ごみを減らせる施工方法や、再利用できる建材を活用する動きが広がっていて、特に店舗やオフィスでは、こうした“エコ”を意識した空間づくりが注目されています。

たとえば、使わなくなった木材を加工して再利用した什器(棚やカウンターなど)や、有害物質を抑えた塗料、風通しや断熱性の高い自然素材などが多く選ばれるようになっています。見た目がナチュラルで心地よいだけでなく、使いやすさや健康面でもメリットがあります。

こうした取り組みは、環境への配慮だけでなく、「お店や会社の姿勢を伝える空間演出」としても効果的です。初期費用がやや高くなることもありますが、お客様からの信頼感やイメージアップにつながることが多いため、選ばれるケースが増えています。

工事のデジタル化が進んでいる

内装工事の現場でも、パソコンやタブレットを使ったデジタル化が進んでいます。

これまで紙の図面でやりとりしていた部分を、3Dで見られるデータに置き換えることで、設計のイメージが共有しやすくなり、「完成したら思っていたのと違った…」というミスを減らすことにもつながっています。

また、工事の進み具合をオンラインで確認できたり、職人さん同士が専用アプリで連絡を取り合ったりと、現場の動きをリアルタイムで見える化する仕組みも広がってきました。こうした取り組みは、大規模な工事現場だけでなく、小規模な店舗やオフィスの内装工事でも少しずつ取り入れられています。

やりとりがスムーズになれば、全体の工期が短縮できたり、ミスや手戻りを減らせる可能性も高まるのです。

デザイン性とブランド表現の重視が強まっている

内装工事の目的が「ただきれいにする」だけでなく、お店や会社「らしさ」を表現する空間づくりへとシフトしています。とくに店舗やサロンでは、内装そのものがブランディングの一部となり、SNSなどで写真に残したくなるような、見せる内装が意識されています。

たとえば、ナチュラルテイストで安心感を演出したり、あえて無機質なデザインでスタイリッシュさを打ち出したりと、業種やターゲットに合わせた雰囲気づくりが重視されるようになってきました。

また、ロゴやカラー、照明、香りなども含めて統一感のある空間にすることで、「このお店はこういう世界観なんだ」とお客様にしっかり伝わります。内装デザインは、見た目だけでなく、記憶に残る空間としての価値を持つ時代になってきているといえるでしょう。

多様なニーズへの柔軟な対応が求められている

最近の内装工事では、利用する人や働く人の「多様なライフスタイル」に応じた柔軟な設計が求められるようになっています。たとえば、高齢者や車いす利用者にもやさしいバリアフリー設計、テレワークがしやすい個室スペースの確保、男女それぞれに配慮したトイレや更衣室の配置などがその一例です。

また、近年では「働きやすさ」や「快適性」が重視されるようになり、照明の明るさや空調の流れ、音の響き方など、“感じ方”に関する配慮も広がってきました。オフィス・店舗・医療施設など、どんな空間でも「誰が、どのように使うか」を最初にしっかり想定しておくことで、より満足度の高い内装につながります。

一人ひとりの使い心地を考えた設計が、これからの内装工事では当たり前になりつつあります。

内装工事に必要な道具をお探しなら現場市場

内装工事では、職人の技術に加え、使用する道具や資材の質も仕上がりを大きく左右します。とくに現場の条件に柔軟に対応するためには、扱いやすく信頼できる道具を常にそろえておくことが重要です。また、急な作業変更や予備の補充にも、スピーディな対応が求められるでしょう。

そんなときに頼れるのが、内装工事用の道具や資材が充実している通販サイト「現場市場」です。

軽天・ボード工事からクロス貼り、塗装、床仕上げ、設備まわりに使うツールまで、実際の現場目線で選ばれたラインナップがそろっています。ハンドツールや消耗品だけでなく、現場で役立つ便利アイテムも多数取り扱っています。

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詳しくは 現場市場 をご覧ください。道具に関する疑問点などには、専門スタッフが丁寧に対応致します。

まとめ:納得のいく内装工事を実現するために今できることから始めよう

内装工事は、ただ「空間をきれいに整える」だけでなく、使う人の快適さや目的に合わせた設計が求められます。

費用や業者選び、工程の管理など考えることは多いですが、しっかり情報を集めて進めれば、満足度の高い仕上がりにつながります。の記事で紹介したポイントを参考にしながら、まずは「どんな空間にしたいのか」を具体的にイメージすることから始めてみてください。

そして、自分に合った業者やパートナーと出会うことで、工事の過程も前向きに進められるずです。丁寧な準備が、理想の内装を叶えるいちばんの近道になるでしょう。

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たかみちのコメント

リフォームは正しく進めないと、その後何十年も後悔してしまうので慎重に進めたいですね。
自分もリフォーム依頼をした経験があるのでアドバイスがあります。
それは…『リフォーム経験者にも意見を聞くこと』です。
実際忙しすぎて適当に決めてしまうことが多々発生するので冷静に判断できる人がいるだけで後悔しない家づくりが出来ます。
リフォームなどが決まったら周りの人に経験者がいないか聞いてみてください♩




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たかみち

現場市場のページデザインを担当。趣味のキャンプ用にブロワーを買ったところ、使い勝手の良さに感動。完全に工具沼に(笑)最近テーブルのDIY用に丸ノコを購入しました。実際に使ったからこそ、本当におすすめできるアイテムを紹介していきます。

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