サクションホースの特徴と基本的な使い方について徹底解説!
サクションホースは主に流体の給排水などに使用します。
工業用以外にも、農業やポンプ用など用途に合わせて形状や材質は様々です。
今回は、工場や工事の現場で使われるサクションホースの用途や使い方、他の工業用ホースとの違いなどについて解説します。
サクションホースとは?流体の送水・排水に使うためのホース
サクションホースは、流体などを給排水するために使うホースです。
「サクション」とは吸い込む・吸引するという意味で、普通のホースとの違いは、負圧の圧力にも耐えられるよう硬い樹脂がらせん状に埋め込まれていること等が挙げられます。
流体の移送をする際ホース内部に圧力がかかるので、普通の単層管ホースだと圧力によって潰れてしまい流体が運べなくなってしまいます。
サクションホースは潰れて流体が運べなくならないように、硬い素材で補強されているのが特長です。
● 建築
● 土木
● 農業
● 食品生産/加工
● 医薬品生産/加工
など様々な分野で用いられており、用途によって耐圧性や特長が異なります。
給排水用
サクションホースの中で最も一般的なタイプです。
給排水に使用する流体に合わせて、温度や耐圧性の仕様を変えてください。
耐圧性が高いものほどホースが重くなるので、スペックや性能の高さだけで判断せずに用途に適した性能のものを選びましょう。
食品用
弘進ゴム 食品用サクションホース GS 食品 WS型N 50mm 1〜50m
食品や飲料の移送には、食品用のサクションホースを使用します。
食品衛生法や食品添加物等の規格に適合したものをお選びください。
規格の基準については、厚生労働省告示第370号をご参照ください。
食品用であっても、ホースの変質を招く油脂系成分が含まれた流体の移送には、ご利用できないものもあります。適合規格品か判断しお選びください。
薬品用
薬品やオイル、有機溶剤などの流体は、ホースを変質させるため流体に合った材質の製品を選びましょう。
フッ素などで中身がコーティングされているものは薬品の影響を受けにくくなっています。
ただ、製品によっては耐性のある成分が限定されていたり、使用時の圧力を指定されているものもあります。
高濃度の薬品や有機系の流体の使用はできないこともあるので、流体物適合表や取扱説明書をよくご確認ください。
サクションホースと他の工業用ホースとの違い
サクションホースは、ダクトホースやデリバリーホースなど他の工業用ホースとは何が違うのかについて見ていきましょう。
工業用ホースの特長については、『工業用ホースの特徴と種類を徹底解説!』で詳しくご紹介しています。
合わせてご覧ください。
ダクトホースとの違い
ダクトホースは、流体を扱うサクションホースとは違って主に気体(空気や蒸気)や、粉塵を集めて移送するために使用されます。
水分や液体に強い製品もありますが、ダクトホースはダクト配管に用いられるという特性から耐圧性能はありません。
デリバリーホースとの違い
デリバリーホースは、園芸用の散水ホースや圧力がかかってもホースが伸びないよう繊維線や鋼線などで補強されているホースのことを指します。
● 給排水
● 配管
● 散水
などの用途に使用されます。
デリバリーホースとサクションホースの違いは、仕様時の圧力のかかり方です。
内圧が負圧状態になるのがサクションホースで、加圧状態になるのがデリバリーホースとされます。
そのため補強部材の目的が異なり、デリバリーホースは使用時にホースが伸びたり膨れるのを避けるため、サクションホースは潰れないために補強します。
ただ、ほとんどのサクションホースは、サクション・デリバリー兼用タイプとして販売されており、どちらの用途にも使用できる場合が多いです。
サクションホースの素材は?
サクションホースで使われる素材についてご紹介していきます。
塩ビ
サクションホースで最もよく使用されているのが、塩ビ(PVC/塩化ビニール樹脂)です。
耐久性に優れ、様々な素材に強いことから広く用いられています。
ただし、塩ビ製品は処理時の焼却条件によってはダイオキシンなどの有害物質が発生するため、脱塩ビ製品の選択肢も増えてきています。
ポリウレタン
耐油性・耐摩耗性に優れているが、高温多湿状態だと加水分解が起こる。
テフロン
耐熱性・耐薬品性かつ、くっつきにくいので粘着性が高い流体移送にも向いている。
ゴム
耐熱性・耐油性が高く、液体・気体・薬品・油など様々な流体に対応できる。
ゴムと樹脂の複合材
耐久性・耐摩耗性の良いゴムと軽くて柔らかい樹脂の良いとこを掛け合わせ。
移送する流体や使用環境に合ったものをお選びください。
サクションホースの取付・使用方法
サクションホースを継手などの金具に取り付ける方法と、基本的な使用方法についてご紹介します。
取付・交換をする前に、
● サクションホース(ホースバンド・ホース用金具等含む)
● プラスドライバー
● マイナスドライバー(交換の場合)
● カッター(交換の場合)
● 石鹸や洗剤
● バケツ
● お湯
をご用意ください。
サクションホースを温めて柔らかくしておく
取り付けるサクションホースを柔らかくするため、バケツに熱湯を入れてサクションホースを温めておきます。
この作業を行うことでホースに柔軟性が出て、取付やすくなります。
ホースを交換する場合は、古いサクションホースを金具から取り外しましょう。
バンドのネジを緩めてホースから取り外します。
ホースとホース用金具が取り外せない場合は、カッターで切れ目を入れて取り外しましょう。
マイナスドライバーなど硬くて先端が薄いものを切れ目に差し込んで作業すると外しやすくなります。
ホース用金具に石鹸や洗剤を塗る
サクションホースを温めている間に、ホース用金具の取付部に石鹸や洗剤を塗ります。
カップリングとホースが外れないように、ホースバンドで固定します。
取付後の使用確認
サクションホースが取り付けられたら、吸引・移送したい流体に使用してください。
液体が漏れたり、空気が入るなど使用に影響が出る場合は、ホースバンドの位置をずらしてみたり、バンドを増やすなど対応してください。
サクションホースはあくまでも消耗品なので、長く使用すると硬化したり亀裂が入ったりすることがあります。
テープなどで破損箇所を補修したりせずに、定期的に状態をチェックして早めに交換してください。
まとめ
サクションホースは建築や工事現場だけでなく、工場や食品生産・管理など様々な分野で用いられています。
樹脂やワイヤーなどで補強されているため、圧力がかかってもホースが潰れません。
耐圧性能を確認し仕様に沿った圧力でご利用ください。またサイズ・温度・流体などによって選定条件が異なりますので、用途に適した製品を選びましょう。
また、サクションホースは使用している内に劣化しますので、定期的に交換が必要です。
現場市場ではサクションホースを多数取り扱っており、当日出荷可能な製品も多いのでお急ぎの時にもスピーディに対応可能です。
サクションホースをお探しの方はぜひこちらもご覧くださいませ。
この記事を書いた人
店長
店長。現場資材を取り扱う商社で確かな知識と実績を積みました。あなたの現場ライフをより快適にするショップを絶賛運用してます!
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現場市場店長のコメント
サクションホースは様々なものを吸うために使用するのでそれに合わせて種類が豊富にございます。現場市場では各種メーカーと直接のつながりがあり、ホースの選定についてメーカーから直のご回答をご用意できます。
選定に迷われている際はお気軽にお問い合わせくださいませ♪